(※写真はイメージです/PIXTA)

物価上昇により「働く日本人」の現状は深刻さを増しています。今年10月より引き上げられる予定の最低賃金を中心に、「日本の労働者とお金」の現状について考えていきます。

最低賃金、全国平均「1,004円」へ

7月28日、中央最低賃金審議会は「令和5年度 地域別最低賃金額改定の目安について」にて、最低賃金の目安を43円引き上げて全国平均「1,004円」とすることを示し、昨日18日には全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました。

 

OECD(経済協力開発機構)発表の「Real minimum wage(実質最低賃金)」を見ると、日本の最低賃金の水準は英仏独などの金額の6~7割程度に留まっており、先進諸国と比べてはるかに低いことが明らかになっています。

 

過去最大の上げ幅に明るいニュースと喜ぶ人がいる一方、最低賃金が引き上がり経営者が苦しみ、企業が倒産する可能性を憂う人々もいるのが現状です。

 

令和5年10月より随時発効される予定の最低賃金を、厚労省の発表より都道府県別に見ていくと、東京都が「1,113円」で最も高く、続いて2位が神奈川県で「1,112円」、3位が大阪府で「1,064円」となっています。

 

埼玉県「1,028円」、愛知県「1,027円」、千葉県「1,026円」、京都府「1,008円」と続きますが、平均となる「1,004円」を超えているのは以上の7都府県のみです。

 

平均以下となった道県を見ていくと、1,000円台となったのは兵庫県「1,001円」のみ。900円台が27道県、800円台は12県となります。全国平均1,004円まで引き上がるとのことですが、各都道府県と平均とのかい離は鮮明です。

 

全国最低となるのは岩手県「893円」です。最高額である東京都と比較すると、「220円」もの差額が算出されます。8時間労働で換算してみると、1日あたりの差額は「1,760円」にのぼります。

 

なお厚生労働省ホームページ『必ずチェック最低賃金』には、下記のように記されています。

 


「最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です」

 

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