「東京の家賃は高すぎる」…実家に住み続けるという選択
東京23区外の実家で暮らすAさん(39歳・仮名)は、これまで一度も一人暮らしをしたことがありません。会社員として働く「普通の独身男性」。ただひとつ違ったのは、Aさんが徹底して“固定費”を嫌ったことでした。
「新卒のころから、“東京の家賃は高すぎる。絶対家から出たくない”と思っていたんです」
幸運にも、実家は会社まで通える範囲内にありました。20代のころは毎月3万円を家に入れ、30代に入って収入が増えてからは、毎月5万円に加えてボーナス時に10万円ずつを渡し、実家暮らしを継続してきたのです。
東京で一人暮らしをすれば、家賃や光熱費で10万円近くになります。外食や総菜に頼れば食費もかさむでしょう。
そういう意味では、支出は圧倒的に少なく抑えることができました。Aさんは、その差額をほぼすべて投資に回してきたといいます。
「20代のころ、同僚は“家賃がきつい”“更新料が痛い”って言ってました。でも僕は、そのぶんをインデックス投資や高配当株に入れていたんです」
資産5,000万円突破…「独り立ちして一人前」に反論
もともと節約好き、これといった趣味もなかったため、手取りの多くを投資へ。気づけば、資産は5,000万円を突破していました。
一方で、39歳・実家暮らしという肩書きには、世間の風当たりもあります。同級生との飲み会で、「お前、まだ実家なの?」「いい加減独り立ちしろよ。いつまでお母さんのご飯食べてんの」と笑われたことも一度や二度ではありません。
ですが、Aさんは意外なほど気にしていません。
「もちろん世間的には“子ども部屋おじさん”なんでしょうね。でも、無理して一人暮らしして、貯金もなく、老後不安を抱えている人を見ると……正直、“老後に泣くのはどっちかな?”と」
かなりストレートな物言いですが、それはAさんが積み上げてきた自負でもありました。
「独り立ちして一人前、みたいな価値観ってありますよね。でも、毎月カツカツで将来の備えもないなら、それはどうなんでしょう。僕は、周りにどう見られるかより、お金の貯めやすさを優先してきてよかったと思っています」

