「儲からない商品」を勇気を持って捨てた結果→“労働環境が劇的に変化し、売り上げも伸びた”ワケ

「儲からない商品」を勇気を持って捨てた結果→“労働環境が劇的に変化し、売り上げも伸びた”ワケ
※画像はイメージです/PIXTA

売れている商品でも、仕入れ値・時間のかかるものは利益に繋がりません。そのうえ不良品を生んでしまう原因になり、お客様にも迷惑がかかります。企業の経営者や個人事業主向けに、経営の一方策として「捨てる」ことの重要性を問う本連載。組織変革プロデューサー・小早祥一郎氏著書の『8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営 (捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)』(スタンダーズ)より、一部抜粋して紹介します。本稿では、儲からない商品を捨てるメリットについて、実際にあった事例を交えて解説します。

 

儲からない商品を捨てる  売上=利益ではない

儲からない商品は人を幸せにしない

世の中にあるさまざまな製品やサービスの中で、儲からない商品、つまり、やれどもやれども報われない商品というのは、あってはならないと考えます。特に、値段の安さを前面に出した商品や、品数の多さを強調した商品は、要注意です。それで適正な利益が出ていれば問題はありませんが、そうではない場合、どこかに無理が生じます。お客様は喜んでくれても、提供する側が疲弊してしまいます。


いや、実は適正な利益が得られない商品は、お客様にも迷惑をかけるのです。無理を生
じた分だけ、それが商品の不良や手抜きとなって現れるからです。

 

「売上」の持つ魔力

それでも、世の中から儲からない商品がなくならない要因のひとつは、「売上」というものが持つ魔力なのではなかろうか、と思っています。

 

どんな商品でも、それが売れれば「売上」が立ちます。その金額が大きければ大きいほど、それを失うことが怖くなります。しかし、ご承知のとおり、売上=利益ではありません。いくら売上金額が大きくても、仕入値が大きければ儲かりませんし、売上金額に比して、手間暇がかかりすぎるようなものも、儲かりません。

 

ならば、仕入原価や労務費を抑えればいいわけですが、それには限界があります。それが限度を超えると、不良や手抜きの原因となります。

 

結局、商品構成そのものを、高品質で高価格、高利益(高付加価値)なものに切り替えていくしかないのです。そのためには、まず、売上に対する執着を捨て、自社の商品構成の中で、儲からない商品を「捨てる」ことです。

低付加価値商品を捨てた会社の事例

残業時間が減り年間休日が増えた

F社は、加工業です。業績は悪くなかったのですが、悩みは、忙しくて時間的な余裕がないことでした。そして、長時間働くわりには、思ったほどには儲からない、ということでした。

 

原因は、低単価商品の受注割合が多いことでした。現状把握をしてみると、だいたい低単価商品6に対して、中単価商品が3、高単価商品1くらいの割合だったのです。そこで、低単価商品をゼロにし、中単価商品と高単価商品だけにしようという目標を立てたのです。


幸いにも同社には、他社にない高度な独自技術があり、取引先にも評価されていました。同社は、勇気をもって、少しずつ低単価商品の注文を断り、そのぶんだけ中単価商品や高単価商品の受注を増やしていきました。現在では、中単価商品と高単価商品が大半を占める商品構成になっています。

 

結果、残業時間が減り、休日出勤をすることもなくなりました。年間トータルの稼働時間が減ったにも関わらず、利益は伸ばすことができました。

 

【図表1】F社の商品構成の変化

 

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8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営(捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)

8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営(捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)

小早 祥一郎

スタンダーズ

「社長、まず捨ててください」 「モノ」「情報」「壁」「商品・資産」「人間関係」「しがらみ」…会社にムダなものがなくなると、びっくりするほど業績が上がる! 「増やす」「加える」ではなく「捨てる」という逆転発想の成…

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