下手すれば経営破綻だが…「根拠のない自社の悪口を言いふらす」全体売上20%を占める大口顧客を“捨てた結果”

下手すれば経営破綻だが…「根拠のない自社の悪口を言いふらす」全体売上20%を占める大口顧客を“捨てた結果”
※画像はイメージです/PIXTA

お客様があってこそ、事業は成り立ちます。とはいえ、「自社の売上に占める割合が大きいけど、問題があるお客様」の扱いには経営者も頭を悩ませることでしょう。企業の経営者や個人事業主向けに、経営の一方策として「捨てる」ことの重要性を問う本連載。組織変革プロデューサー・小早祥一郎氏著書の『8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営 (捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)』(スタンダーズ)より、一部抜粋して紹介します。本稿では、お客様を捨てるメリットについて、事例を交えて解説します。

 

不良客を断り、互いにwin・winの関係を築く

扱いに困る「要注意客」

お客様があってこそ、事業が成り立ちます。だからといって、すべてのお客様と取り引きを続けなければならない、ということはありません。事業者側にも、お客様を選ぶ権利はあります。

 

問題となるのは、取引金額が大きく、自社の売上全体に占める割合が大きいにもかかわらず、限度を超えた値引き要求を繰り返したり、支払いが遅かったり、あるいは高圧的な態度を取るなどのケース。自社の売上に占める割合が大きいだけに、切るに切れない、という面があります。

「要注意客」が会社を蝕む

売上は大きいものの、問題のあるお客様との取引を続けていると、

 

「他社のフォローや新規開拓がおろそかになってしまう」

 

「大きな売上に安住し、依存したくない相手に依存してしまう」

 

「売上さえあれば他の要素は軽視しても良いという風潮が社員にも伝播してしまう」

 

といった問題を引き起こしてしまいます。だから、取引額が大きい「要注意客」とのつき合いを続けることは、実は思った以上に危険なことであり、これらを「捨てる」ことを真剣に検討すべきなのです。

 

経営者にとっては、「そんなことは重々わかっている。だけど、目の前の売上がなくなっては元も子もない。だから苦い思いを我慢して取り引きを続けているのだ!」という葛藤もあるでしょう。確かに、目先の売上を考えれば、つき合いを続けたほうがいいでしょう。しかし、長期的な視野に立てば、どこかでつき合いを断たなければ、気づいたときには、会社の土台がガタガタになっている、ということだってあり得るのです。

 

だから、経営者には、断腸の思いで「捨てる」決断が必要になります。

お客様の捨て方

自社にとって捨てるべきお客様とは、その人(会社)の購買金額が大きいか小さいか、自社の売上に占める割合が大きいか小さいかなどにかかわらず、

 

「限度以上の値引き要求をする」

 

「支払期日を守らない」

 

「自社の社員に対して高圧的な態度や言葉遣いをする」

 

「第三者に自社の悪口や根拠のない噂話を言いふらす」

 

といったケースでしょう。まずは、これらの問題について、相手の社長に対して、率直に改善を求めましょう。それでも改まらなければ、以下の措置を取りましょう。

 

・まず取引額を少し減らす(注文を受けても、一定量以上受けない)

・その間に、他の顧客との取引量を増やしたり、新規開拓して新規顧客を増やしたりする

・ある時期が来たら、すべての取引を断る

 

大事なのは、まず取引量を減らすこと、つまり、「捨てる」ことです。他のお客様で十分な収益が得られてから切ろう、などと考えていると、永遠にその時は来ません。大口の取引が減れば、経営にとっては痛手です。その痛みを感じるからこそ、どうにかしてその穴を埋めよう、と必死になるのです。

 

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8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営(捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)

8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営(捨てると会社の本質が見えてくる→どうすれば儲かるのかわかる!)

小早 祥一郎

スタンダーズ

「社長、まず捨ててください」 「モノ」「情報」「壁」「商品・資産」「人間関係」「しがらみ」…会社にムダなものがなくなると、びっくりするほど業績が上がる! 「増やす」「加える」ではなく「捨てる」という逆転発想の成…

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