余分な土地建物を捨てる
土地や建物は有効活用してこそ意味がある
少なくない企業で、実際に使っている以外の土地や建物を所有していることがあります。所有そのものには善悪はありません。問題は、その土地建物を有効活用しているかどうか、です。
支援先企業の経営者と話をしていて、見たこともないような土地建物の話が出てきて、驚くことがあります。本拠とする場所からは離れており、特段に活用もしていない、と。土地は「資産」「財産」だから持っていて悪いことはなかろう、という考えのようです。しかしこの考えに、手放しで賛同するわけにはいきません。
活用していない不動産所有のデメリット
土地や建物を所有していれば、固定資産税がかかります。山奥なので、たいした金額ではない、と思うかもしれません。それでも、塵も積もれば山となる、です。
また、定期的に草刈りなどをしなければなりません。あまりひどい状態を放置しておけば、近隣住民に迷惑をかけて苦情が来てしまいます。業者に任せるならば、それだけの経費がかかります。社員がやるとすれば、そのぶん、社員が本来すべき業務にしわ寄せがくることになります。社員にしても、なぜ自分がこんな土地の草刈りをしなければならないのか、と不満を持つことでしょう。
もし建物が建ったままだとしたら、その建物を維持するために、メンテナンスが必要です。建物は使わないと傷むので、どんどん劣化すると同時に、放置しておくと周辺の景観を害してしまいます。場合によっては、使いもしない建物をリフォームする、なんてバカなことになりかねません。
つまり、活用していない土地建物は、所有しているだけで余計なエネルギーを使うのです。
余分な土地建物を捨てた会社の事例
在庫を整理したら、土地建物が不要になった
Z社は、地方の材木店です。当初、本店を含めて3箇所の木材置場がありました。社内で整理・整頓の活動を進めていく中で、木材の在庫も処分していきました。
当初は、大量の木材がいたるところに在庫されていました。聞けば、現社長が先代から経営を引き継いでから、一度もこれらの木材に触ったことがない、というのです。これは間違いなく売れる、というもの以外、どんどん捨てていきました。それにつれて、それぞれの倉庫の内部がスカスカになってきます。
すると、3箇所も倉庫は要らないという話になり、倉庫を統廃合することになりました。3箇所あるうちの2つの倉庫の中身を、本店の倉庫に移し、建屋を解体し、更地にして、土地を売却しました。移動のロスが少なくなったことで、業務の効率が良くなりました。
また、敷地が離れていると、管理が行き届かず、倉庫内が乱れたり、社員がサボったりという状況を生みがちですが、そういったことも改善できました。
《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら