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メニューにない注文を断る
H社は仕出し弁当を手掛けています。整理・整頓の活動を進める中で、倉庫に山積みされた容器が問題となり、容器を統合できないか、という話になりました。さらに、容器の統合だけでなく、メニューの数が多すぎるのではないか、という意見も出てきました。
ところが、話を進める中で、そもそも、メニューに載っていない注文も受け付けている、ということがわかってきました。しかも追加料金なしで、です。お客様のご要望に沿うように、と言えば聞こえはいいですが、その代償として、現場の作業員の負担が大きくなり、勤務時間が増えるだけでなく、ミスや配達遅れなどが頻発して、お客様に迷惑をかけているのです。
改善の第一歩として、まずはメニューにない注文を断ろう、ということになりました。勇気をもって、メニュー外の注文を断る代わりに、メニューに載せてある商品については、品質を上げて、ミスをなくし、自信を持ってご提供できるようにしよう、ということになりました。
「捨てる」のが先
こうした商品構成の見直しの際に、多くの経営者が「高付加価値商品が育ってきたら、低付加価値商品を捨てよう」と考えます。しかし、そううまくはいきません。なぜなら、これまで低付加価値商品に注ぎ込んできた経営資源(人・物・金)を割くことなく、高付加価値商品を育てることは不可能だからです。高付加価値商品を育てるには、そこに経営資源(人・物・金)を投入しなければなりません。
だからまず、低付加価値商品を捨てるのが先なのです。これまで低付加価値商品で作ってきた売上を失うのは、とても怖いことです。しかし、「捨てれば得られる」のです。
〈まとめ〉
儲からない商品を捨てて、自信を持って提供できる高付加価値商品にシフトすれば、品質は向上し、社員の満足度は上がる。
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