今回は、比較的多くの人が該当する「医療費控除」の概要について解説します。※本連載は、証券アナリスト/AFPの頼藤太希氏、CFP/DCプランナーの高山一恵氏の共著、『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)の中から一部を抜粋し、税金を減らし、お金を貯めるノウハウをご紹介します。

対象となる「医療費の範囲」を確定申告前に確認

税金が戻ってくるケースで、比較的該当する人が多いのが「医療費控除」。虫歯を治したり、入院したり、手術をしたりして、医療費が年間10万円を超えたなら、医療費控除によって税金が戻ってきます。

 

気をつけたいポイントは、対象となる医療費の範囲を確認すること。すべての医療費が認められるわけではないので、確定申告をする前に医療費として認められるもの、認められないものを確認しておきましょう。

 

医療費として認められるものは、医療機関で支払った自己負担分の医療費、薬局で支払った薬代、通院に要した交通費など。交通費は、タクシーを利用した際の費用は基本的に認められませんが、どうしてもタクシーでなければ病院までの移動ができないなどの特別な事情があれば、控除の対象となります。

「歯の矯正」も控除の対象に?

また、治療目的であれば、市販の風邪薬や胃腸薬、湿布薬(しっぷ)などの代金も申告することができます。

 

いっぽう、健康診断、インフルエンザなどの予防接種の費用、美容整形などの病気の治療以外の手術、入院中の差額ベッド代などは対象になりません。

 

歯の矯正(きょうせい)に関しては、医療上必要なものであれば対象になりますが、いわゆる審美(しんび)のためのものは対象外になります。ただし、子どもの歯の矯正費用については対象になります。他には、ドリンク代、サプリメント代、コンタクトレンズ代なども対象外になっています。

 

<医療費控除の概要>

【医療費控除が認められるもの】
・通常の医療費・治療費    ・治療のための医薬品
・入院のための部屋代、食事代 ・医師の処方による漢方薬
・歯の矯正(美容目的以外)  ・治療のためのマッサージ
・通院のための交通費


【医療費控除が認められないもの】
・健康診断、人間ドック費用  ・栄養ドリンク
・美容整形          ・医師の処方以外の漢方薬
・美容目的の歯の治療     ・インフルエンザなどの予防接種代
・サプリメント

医療費控除額=「1年で支払った医療費−保険金等の補てん金−10万円」
※所得が200万円以上のケース

 

たとえば、課税所得400万円の人の1年間の医療費が50万円だった場合(保険金の補てんは10万円)
医療費控除額    50万円−10万円−10万円=30万円
戻ってくる金額   30万円×20%(所得税率)=6万円

本連載は、2016年7月26日刊行の書籍『税金を減らしてお金持ちになるすごい! 方法』(河出書房新社)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

税金を減らしてお金持ちになる すごい! 方法

税金を減らしてお金持ちになる すごい! 方法

頼藤 太希,高山 一恵

河出書房新社

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