
今回は、所得税の減額につながる「扶養控除」の概要について説明します。※本連載は、証券アナリスト/AFPの頼藤太希氏、CFP/DCプランナーの高山一恵氏の共著、『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)の中から一部を抜粋し、税金を減らし、お金を貯めるノウハウをご紹介します。
「扶養控除」の対象となる親族とは?
さまざまな控除があるなかで、多くのサラリーマンが活用できる控除といえば、「扶養控除」です。
扶養控除とは、生計が同一で所得金額(収入から控除等を引いた金額)が「38万円以下」の人が対象となる制度。その年の12月31日現在で16歳以上の人が対象になります(16歳未満の子どもがいる家庭については、児童手当が支給されるため対象外)。
所得、年齢要件が合致(がっち)した16歳以上の扶養親族については、38万円の扶養控除を受けることができます。
また、扶養親族のなかでも、もっともお金がかかる高校生や大学生に相当する年齢(その年の12月31日現在で19歳以上23歳未満)の子どもがいる家庭については控除額が上乗せされており、「特定扶養親族」として、「63万円」の扶養控除が受けられます。
長期入院している場合でも適用される「老人扶養控除」
扶養控除の要件にある「生計が同一」というのは、生活費などの出所が同じという意味。つまり、かならずしも同居している必要はありません。子どもが地方の大学に進学し、その生活費を仕送りしている場合なども適用されます。
また、高齢になった親の面倒をみている場合も控除があります。この場合、「老人扶養控除」として「48万円」の控除が認められています。老人扶養親族に該当するのは、その年の12月31日現在で70歳以上の人です。「特定扶養親族」と同様に、同居せず、仕送りなどをしているケースでも適用になります。
そして、生計を一にしていて、かつ、同居している場合には、さらに控除額が上乗せになり「58万円」の控除が認められています。日常的に同居していることが基本的な要件ですが、たとえば、長期で入院している場合なども適用になります。ただし、老人ホームに入居している場合には適用されないので注意が必要です。
【図表 特定扶養親族と老人扶養親族の要件】
