相続したのは「築古アパート」…経営を続けるには”投資“が必須
Aさんが父から相続したアパートは、父が約40年前に建てた、木造2階建て・全10室の築古物件です。現在、高齢の夫婦や単身者が6室入居していて、あとの4室は空室となっています。さらにこのアパートは、新築だとしても家賃によってはすぐに入居者が決まらないような、賃貸物件が密集する「供給過剰地域」に建っています。
そのため、手っ取り早く入居者を探して空室を埋めるには、
・畳をフローリングにするなど、部屋のリノベーションを行う
・大家負担で、各部屋にケーブルテレビ回線を設置する
・アパートの管理を、Cさんが所属する会社の系列の管理会社に依頼する
といった対策が必要だと、Aさんは不動産仲介業者のCさんに言われたそうです。どれもまとまったお金が必要な話ばかりです。
たしかに、Aさんのアパート近辺をネットで検索すると、空室が豊富にあります。また、別の業者を複数訪ねても、皆Cさんと同じようなことを言います。
Aさんの父は、アパートも母が相続した駐車場も、ともに母を青色専従者として父が給与を支払う青色申告※で記帳していました。また、定期的な清掃や入居者の管理も両親がしており、管理会社に委託する考えはなかったようです。
※ 詳細は国税庁HP「青色申告制度」を参照のこと。
Cさんが言うように、築古アパートでも経営を続けるにはそれなりに投資が必要です。Aさんも理解はできるものの、いまひとつ割り切れない様子。
アパート経営に必要な費用を家賃収入で補うことができれば、Aさんの家計を圧迫することはありません。しかし、今後必要になってくるアパートの固定資産税や所得税、それにCさんが提案してくれた家賃値下げやリノベーションをはじめとした対策費用のことを考えると、家賃収入を住宅ローンの返済に回すどころか、アパート経営を続けるほど貯蓄を食いつぶし、家計は破産しかねないことがわかりました。
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