日・米・欧州市場「堅調」…株価上昇はいつまで?
目下、解決しつつある(?)米債務上限問題をのぞけば、米国や日本、欧州などの株式市場は堅調です。他方で引き続き、景気後退についての話題も聞かれます。
たとえば、[図表1]に示すとおり、銀行の融資担当者調査をみると、米国のみならず、ユーロ圏やカナダなどでも融資基準が厳格化されており、今後、景気後退が訪れるとすれば、過去と同様、米国だけではなく、多くの主要国も追随するでしょう。
今日は、「株価の上昇が目先、いつまで持ちそうなのか」について考えてみたいと思います。もちろん、10年先、20年先を見据えて資産を運用することが肝心です。
先にまとめておくと、
1.過去のデータによれば、「(現在3.4%の)失業率が3.7%に上昇するまで」株価は上昇基調を保つ傾向にある
2.今回これまでのデータを参考にすると、「失業率が3.7%に上昇するのは来年1月頃」と目される
3.よって「とりあえず失業率3.7%までは、リスク資産に多めに配分する」「失業率3.7%到達後は警戒しつつ、その先の下落局面で安値を拾う戦略に転換する」ことが一案
となります。
株価上昇キープのカギは、「米国失業率」
[図表2]に示すとおり、(弊社でS&P500のデータが取れる)1964年以降の景気後退局面を見ると、「失業率が底値から0.3ポイント程度上昇するまで、株価は上昇を保つ傾向」があります(→逆にいえば、その後しばらくして下落に転じます。サンプル8回を平均すると、ボトム・底値は8ヵ月後、11%程度の下落です)。
参考までに、[図表3]が、全サンプル、8回のS&P500の動きを表示したものです。
そして、[図表4]に示すとおり、過去をみると、失業率が底値から0.3%ポイント上昇すると【図中の赤いマーク】、多くのケースで景気後退に入っています(→「ダマシ」もあります)。
「直近4月の失業率は3.4%」で、「これが目下、今回の最低水準」ですから、「失業率3.7%が要警戒領域」です。