(※写真はイメージです/PIXTA)

「家族信託」は本当に認知症対策に有効なのか─。手続きや費用、また成年後見制度と何が違うのでしょうか。後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事を一部編集してお届け。いざというときに慌てないために、「家族信託」についてわかりやすく解説します。

家族信託ができない認知症の場合はどのように財産管理すれば良い?

認知症の進行で家族信託が行えない場合、成年後見制度の一つである「法定後見制度」を利用しましょう。

 

こちらは被相続人(財産を所有している家族)が認知症となっても、他の家族等が家庭裁判所へ申し立てれば、裁判所が被相続人本人に代わって財産管理や身上監護を担う、法定後見人を選任してくれるというものです。

 

ただし、法定後見人は被相続人本人の保護を目的として選任されます。そのため、法定後見人による財産の処分は、被相続人本人のためにならないと裁判所から判断され、認められない場合もあります。

 

本制度では、家族信託で設定できるような自由な財産の処分・運用等が非常に難しくなります。

家族信託のデメリットや留意点は?

家族信託で想定されるデメリットは次の通りです。

 

(1)税務に関する負担等

 

信託財産の運用でマイナスが生じた場合、他の所得分の税金は減らせません。家族信託は損益通算ができない仕組みです。

 

反対に、1年間に信託財産から3万円以上の収益があれば、税務署へ信託計算書・信託計算書合計表の提出を行う必要があります。税務に関する負担は増えることとなります。

 

(2)専門家が少なく、専門家に相談はできてもコンサルティング費用がかかる

 

家族信託は新しい制度のため、その知識を有した者や、実務経験豊富な法律の専門家を見つけるのはなかなか難しいものです。また、専門家が見つかっても無料では対応してくれず、相談料・コンサルティング報酬等がかかってしまいます。

 

(3)長期にわたり当事者を拘束しトラブルのおそれも

 

家族信託は長期にわたり、資産の管理・処分へ制限をかけるようなことも想定されます。それが逆に親族の相続トラブルへ発展するおそれもゼロとは言えません。

 

数十年先を見据えた家族信託の設計は、より慎重に家族・親族と話し合い、いろいろなリスクを考慮したうえで設定することが大切です。

家族信託の手続きや費用は? 

ここでは家族信託を契約する流れ、かかる費用の目安について解説します。

 

家族信託を契約する流れ

次のような手順で進めます。

 

1.家族に家族信託の相談・合意を得る:受託者に選ぶ家族の他、他の家族の意見もよく聞く。

 

2.契約書を作成・契約締結:信託の目的・何を信託財産とするのか・誰に信託するのか・管理方法をよく話し合い明記する。作成した契約書は公証役場で公正証書にすると公証人が内容を真実であると認証したことになるので証明力は上がる。

 

3.財産の名義を受託者へ移す:信託財産を一覧にした信託目録の作成する。

 

4.専用口座を開設:現金・預金が信託財産の場合、それらを管理する専用口座を開設、その口座に信託財産のお金を入金し管理する。

 

費用の目安

家族信託は専門家に相談したり、公正証書にしたり、信託財産に不動産が含まれていたりする場合、費用がかかってしまいます。

 

費用の目安は次の通りです。

 

・相談、コンサルティング料:概ね1億円以下の信託財産は価格の1%、1億円超~3億円以下は価格の0.5%

・公正証書作成費用:専門家に依頼した場合は10万円~15万円

・公正証書作成手数料:公証人へ支払う費用として3万円~10万円

・登録免許税:信託財産に不動産がある場合、不動産価格の4/1,000に相当する額

 

総額約50万円~100万円かかると想定しておくと良いでしょう。

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』からの転載記事です。

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