法人の種類別の立ち上げにかかる経費
◆法人の種類とかかる費用は?
興味のある方のために、法人の種類とおおよそかかる費用、必要なものなどをまとめておきましよう。
これから「ひとり社長」として法人を立ち上げようと考えると、「株式会社」「合同会社」「一般社団法人」が視野に入ります。もっとも一般的で、これから会社を大きくしていきたいというのなら「株式会社」でしょう。
おおむね30万円ぐらいの費用を準備する必要があります。その中で多くを占めるのが登録免許税で、できたら自治体の創業支援事業を受けて半額にしたいところです。
しかしもっと簡易に、ローコストで立ち上げられ、運用も容易なのが「合同会社」です。おおむね10万円ぐらいで設立可能とされています。
以前の「有限会社」的なものだととらえてけっこうです。もちろん、これも立派な会社法人であり、企業との取引にもまず問題なく、法人としての銀行口座が作れます。
「一般社団法人」も、法人として作ることができます。これは教室を開いたり、民間資格を発行するセミナー・教育関連ビジネスに向いた法人形態です。
こちらの設立は、12万円ぐらいを見込んでおいたほうがいいでしょう。そして手続きに必要なものは次の通りです。そして、それぞれ専門家に依頼した場合、5~10万円程度の代行手数料が必要になります。
「ひとり社長」副業の効用
◆副業が認められない会社で検討
定年後、「ひとり社長」としてやっていこうと心の中で考えている方には、会社員のうちに、「もう一人の自分」として法人を持つことをおすすめします。
つまり、会社員でありながら、別の会社の社長になるわけです。「そんなことができるのか」と言われそうですが、実践している人はけっこういます。副業が認められにくい会社でも、法人の社長になることは、まず制限されません。
自社の就業規則を確認してください。他社の従業員になることは禁止されているでしょうが、他社の株主や役員になることは禁止されていないことが多いでしょう。
たとえば、自分の家が代々地主で、形だけでも会社組織にして、不動産管理をしている場合があります。親から、「お前、名義だけでもいいから役員になってくれないか」と言われて就任し、問題が発生するとは思えません。
人事・総務部の親しい人に相談してみたらどうでしょうか。
ただ、現実的には別の法人から大きな報酬を得てしまうと摩擦が起きる可能性はありそうです。副業の所得(収入ではありません。収入から経費を引いた金額)が20万円を越えたら確定申告が必要となります。
確定申告すると住民税に反映され、そこから会社に判明します。シニア世代ともなると、会社に判明しても構わないとは言いづらい、摩擦を起こしたくないという人もいるでしょう。