在職中に法人を設立することのメリット
◆家族を巻き込むのもひとつの方法
会社の代表を奥さんにお願いして、自らは報酬を受け取らない方法もあります。そして定年退職後に合流するものです。
これは、まず会社が関知できません。実際、筆者が取材してきた人の中には、公務員や准公務員の立場の人がいました。そこでは法的に副業は認められませんので、定年前に、奥さんを代表取締役にして会社を立ち上げることにしたのです。
なかには、奥さんのほうが、経営の才能があることがわかり、合流してからも奥さんがそのまま代表取締役として会社を経営しているという人もいました。
自らは、会社で身につけた財務や法務の知識などを活かし、バックオフィスの仕事に専念すると決めたようです。それはとても幸せなことですよね。
定年後、旦那がずっと家にいるようになって奥さんの自由度がなくなり、夫婦仲が悪くなりがちというニュースをよく聞きます。
この「在職中に奥さんを代表取締役に法人設立、定年後合流」というスタイルであれば、そんな悩みはなく、夫婦共通の目的に向かって、ずっと一緒に歩んでいけるわけです。
もちろん、今度は会社の方針をめぐってもめるということもないこともないですが。
◆「ひとり社長」は目に見える滑走路
在職中に法人を設立することをおすすめするのは、定年退職の時期が来るのがわかっているのに、「何かしなくちゃ」と思いながらも、無為に日々を過ごすことを防止するためです。
みなさん、よくセミナーに行くし、勉強もします。でも、結局定年退職を迎えて、「何もしないまま」日々を過ごす人が多いのです。
法人という形を作ると、放っておけば経費も税金もかかるので、「何かせざるを得なくなる」からです。法人は「定年後に飛び立つための目に見える滑走路」です。
藤木 俊明
有限会社 ガーデンシティ・プランニング
代表取締役