(※写真はイメージです/PIXTA)

満員電車の通勤にウンザリ、自然に囲まれて暮らしたい……こうした理由から地方への移住を検討しているものの、お金周りの不安からなかなか踏み切れないという人は少なくありません。首都圏と地方では最低賃金に差があり、移住後は収入が減りやすいイメージがありますが、意外にも地方移住者全体の6割は増収しているのが現状です。本記事では、地方移住や2拠点・多拠点生活に関する情報発信メディアを運営する合同会社Stone intechの中嶋遼太代表が、地方移住者の懐事情について詳しく解説します。

移住者の年収調査…その実情は?

続いては移住者の年収に関する調査をもとに、地方の収入事情を分析します。移住者全体でみると増収した割合は高く、およそ60%の人が年収アップと答えました。しかし年代別のデータを見ると、そうとは言い切れない側面があるようです。

 

■20~30代の場合

若い世代に関しては、移住時の年収が増える傾向にあります。増収したと回答した20代の割合は25.8%、減収した人の割合は15.1%でした。30代では22.2%が年収アップ、逆にダウンした人は18.1%とのことです。

 

(出典:Touch!PERSOL「“仕事がない”“年収が減る”は思い込み?調査から見えた地方移住の実態」)

 

働き盛りの年代ということもあり、若年層は比較的稼ぎやすいと考えられます。職種や家族構成などによって年収に差があるため、これらの数字を鵜呑みにすべきではありません。しかし20%以上の人が増収している点は、注目に値するポイントです。

 

移住直後に収入が減ったとしても、スキルを積んで稼げるようになる可能性は残されているのです。田舎にはない仕事ができる人材になると、確実に重宝されるでしょう。

 

最近は副業の人口が増えており、移住する前に取り組んでおくといいかもしれません。SNSやYouTubeで情報を発信したり、ブログで記事を書いたりと、やり方はさまざま。移住者の多くは、なにかしらの形で自らの経験を発信しているようです。

 

副業が軌道に乗ってきたら、個人事業主になって本格的に稼ぐことを視野に入れてもいいですね。地方で起業する若者は少なくないため、機会があれば検討してみてください。

 

■40代以降の場合

年代が上がると、若年層より移住後の年収が落ちる傾向が見られます。40代では20.1%が増収、20.7%が減収と回答しました。そして50代になると、減収した割合は増収を上回っています。プラスと答えたのは14.5%で、25.9%がマイナスに転じたとの結果が出ています。ちなみに50代以降も、数字が違うだけで同様の内容でした。

 

(出典:Touch!PERSOL「“仕事がない”“年収が減る”は思い込み?調査から見えた地方移住の実態」)

 

若年層と比べると、中高年層はそれなりに蓄えがあると推定されます。また役職が上がって手当がつきやすいため、基本給+αが期待できるでしょう。したがって年収が減っても、20〜30代よりダメージは少ないかもしれません。

 

とはいえ、物価の上昇に伴う生活コスト増大は避けて通れないでしょう。さらに健康上の不安も増してくるため、金銭面での余裕が欲しいところですね。減収を回避したい人は、本業のかたわら副業や投資に挑戦してみることを推奨します。

 

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