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個人で会社の買収を行う「個人M&A」が増えています。そのため小規模な会社は個人と取引することもあるでしょう。個人が買い手となるM&Aには、どのような特徴があるのでしょうか? みていきましょう。

個人への事業承継に必要な準備

事業承継をするときには、まず意思をはっきりさせなければいけません。加えて自社の価値を客観的な方法で評価し、ノウハウや資産などをどのように引き継ぐかも考えて準備が必要です。

事業承継の意思を固める

小規模な会社だとしても、売却によって事業承継を行うには、およそ1年間はかかります。お互いに条件の合う相手と出会うまでや、その後の交渉に長くかかれば、もっと時間が必要なケースもあるでしょう。そのため第三者へ事業承継をするなら、早めに意思をはっきりさせることです。「いつかは引き継ぐときが来る」というような認識では、いつまで経っても事業承継は進みません。引退ぎりぎりになってから、慌てて探さなければいけない可能性もあります。できるだけ早めに意思を固め動き出せば、余裕を持って事業承継に取り組めるためおすすめです。

自社の価値を適切に評価する

買い手が買収したいと思っても、価格の基準が分からなければ買収の検討ができません。そこで自社の価値評価を実施し、基準として買い手へ提示します。このとき重要なのは、客観的で適切な価値評価です。経営者が自ら価値評価を行うと、どうしても高めに評価する傾向があります。客観的な価値評価を実施するには、M&Aに関する知見のある税理士や会計士に依頼しましょう。複数の価値評価手法から自社に合う計算方法を選び、客観的な価値の算出が可能です。

引き継ぎの準備

個人へ事業を売却するときには、引き継ぎがスムーズにできるよう準備しておくとよいでしょう。例えばノウハウや人脈の引き継ぎをどのように行うのか、具体的な手順も考えておきます。そのためには、経営者が自社の強みを正確に把握していなければいけません。自社ならではの価値がどこにあるのかも含め、後継者へ伝えましょう。資産の引き継ぎでは、手順に加えて税負担を考慮し手法を決定します。引き継ぎ方を誤ると、税額の負担が大きくなる可能性があるため要注意です。

熱意ある後継者候補に引き継ごう

起業を目指す個人が企業買収を行うケースが増えています。そのため小規模な会社が第三者への事業承継を実施しようとすると、個人が買い手として名乗りを上げる場合もあるでしょう。

 

個人による買収には、資金力では企業に及ばない点に加え、従業員の退職といったリスクもあります。しかし融資や補助金を利用すれば、自己資金が不足していても買収でき、修業期間を設け従業員と関係性を築くことも可能です。買収先を探せるサービスには、M&Aマッチングサイトや後継者人材バンクなどがあります。複数のサービスへ登録してもよいでしょう。

 

同時に、経営者も事業承継へ向けた準備を進めなければいけません。早めに準備を始めることで、熱意を持った個人へ自社を任せられます。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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