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個人で会社の買収を行う「個人M&A」が増えています。そのため小規模な会社は個人と取引することもあるでしょう。個人が買い手となるM&Aには、どのような特徴があるのでしょうか? みていきましょう。

個人によるM&Aの問題点

M&Aの買い手が個人の場合、企業同士のM&Aとは異なる問題点があります。企業と比べ心もとない資金力や、従業員との関係性、簿外債務を引き継いでしまうリスクなどです。

資金力が乏しい

企業と個人では、資金力に大きな差があります。個人では用意できる現金に限界があり、担保となる資産がないために追加の借入ができないケースも多いでしょう。そのため買収したとしても、経営に必要な資金を自由に調達できない可能性があり、経営の安定性に欠けます。資金力が乏しい個人に売却した場合、会社の行く末に不安を感じる経営者もいるはずです。高値で売却できる価値を持つ会社であるほど、資金力が豊かでM&A後の経営も安定しやすい企業に買収してほしいと考えるでしょう。

従業員が辞めてしまう可能性がある

売却により経営者が変われば、会社の体制もがらりと変化するかもしれません。特に個人が買い手の場合、聞いたこともない人がいきなりやってきて経営者となるため、従業員は大きく動揺します。特に元の経営者を慕ってついてきていた従業員は、経営者の交代をきっかけに会社への愛着をなくしていく可能性があります。その状態で新しい経営者が指示を出したとしても、反発は大きくなるばかりです。場合によっては、キーパーソンや多くの従業員が退職する事態も起こり得ます。従業員がいなければ会社は利益を生み出せません。買収した会社の価値が大きく下がる一大事のため、あらかじめ対策が必要です。

 

◆修業期間を設ける場合も

個人が買い手となるM&Aであれば、『後継者候補』として入社し修業期間を持つとよいでしょう。従業員に経営者として信頼され認められるよう、まずは一緒に働きます。このときも後継者候補だからと上から指示するのではなく、まずは現場で一緒に働き仕事を教えてもらうことが重要です。特に会社員が企業買収をする場合は、修業期間に経営についても学び、経営者としてのスキルも身に付けましょう。

簿外債務のリスクがある

会社を買収する買い手には、『簿外債務』を引き継ぐリスクがあります。簿外債務とは帳簿に記載されない債務です。売り手が意図的に隠しているケースもあれば、認識していないけれど実は潜んでいたというケースもあります。そのため個人が買い手であるごく小規模な買収であっても、買い手が売り手を調査するデューデリジェンスの実施は欠かせません。このとき売り手に求められるのは、誠実な対応です。必要な資料を用意したり、聞き取り調査に応じたりして、包み隠さず実状を伝えます。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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