賢い社長は“自分のボーナス”で節税…国税庁が用意した「税の抜け道」【税理士が暴露】

賢い社長は“自分のボーナス”で節税…国税庁が用意した「税の抜け道」【税理士が暴露】
(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者のなかには「社長や役員はボーナスをもらえない」と思っている人もいるかもしれません。しかし、ルールさえ守れば、社長・役員へのボーナスも経費として認められるようになっていると、税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏はいいます。社長や役員のボーナスを経費にするための条件について、詳しくみていきましょう。

“届け出通り”に支払わないと損金にはできない

2.事前確定届出給与

黒「役員に対する賞与、つまりボーナスとして活用されているのが、この『事前確定届出給与』です。

 

法人税法上、役員への賞与は原則として損金算入ができません。しかし例外として、事前確定届出給与を活用すれば、役員賞与を損金に計上することが認められます。

 

事前確定届出給与を支給する手順は、以下のようになります」

 

1.株主総会等で役員への賞与額を決議する

2.「支給日・支給額」について、税務署に届け出る

3.届出通りに支払う

 

――思っていたより簡単ですね。税務署にはいつまでに出せばいいんでしょうか?

 

黒「提出期限は、

 

1.株主総会の決議日より1ヵ月以内
2.会計期間開始日より4ヵ月を経過する日

 

のうち、いずれか早い日になります。たとえば[図表3]のように、期首が4月で、株主総会を6月20日に行う場合は、7月20日までに出す必要があります」

 

[図表3]提出期限の例

 

――なるほど。じゃあ、その年度でどのくらい利益が出るかわからないし、とりあえず適当な数字で出しておいて、だいたいの感じで払えば、社長もボーナスがもらえるということですね。

 

黒「いやいや、適当にやってしまうと、せっかくボーナスを出しても損金にはできません。『届出通りに支払う』というのが、『事前確定届出給与』の大事なルールです。届け出た『支給日』『支給金額』が1日・1円でもズレていると、全額が損金算入できなくなります。

 

たとえば、事前確定届出給与で、9月に100万円、3月に100万円、合計で200万円を支給すると届け出たとします。業績が好調で思ったより利益が出たので、社長の3月のボーナスに50万円上乗せで150万円支給しました。このとき、損金はいくらまで認められると思いますか?」

 

――うーん、一応届け出ていますし、ちょっとくらい増やしてもいいような気がしますが、増やした50万円は除いても200万円はOKなのではないでしょうか。

 

黒「なるほど。残念ながらこの場合、先に9月に払っていた100万円も含めて、すべての額が損金不算入となります」

 

――差額ではなく、全額ですか。なかなか厳しいですね。逆に、3月分を50万円に減らしてもダメなのでしょうか?

 

黒「その場合も、支払った合計150万円全額が損金として認められません」

 

――なるほど。不便な気もしますが、厳しいルールが設定されているのですね。つまり、社長や役員がボーナスを経費にするには、次の年度の初めに税務署に届け出を出し、その半年か1年後くらいに届け出通りに支給するってことですね。みなさんも、実行する際は忘れないように工夫しておきましょう。

 

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黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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