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倒産企業増加も「まったく不思議なことではない」

これまで強調しているように、いま認識すべきことは、

 

現下の銀行の問題は、利下げがあり、利上げがあれば、毎回起きることであって、不思議なことはなにも起きていない

 

ということです。

 

景気循環があれば、倒産する企業は増加しますし、解雇される労働者も同様です。倒産する企業が増加すれば、与信を行っている銀行では不良債権が増加し、銀行は、引当もしくは償却によって損失の認識を行います。その後、銀行は利益を積み上げて、資本の増強を行います。これらはすべて毎度のことです。

 

[図表1]米国の政策金利と銀行の償却率
[図表1]米国の政策金利と銀行の償却率

 

その過程では、預金はたいてい全額保護されます。なぜなら、無用な取り付けが銀行を無用な倒産に追い込むためです。また、一部の脆弱な銀行は、体力がある銀行に吸収されます。

 

米国の銀行部門全体を見ると、(今回とメカニズムが似ている)1980年代のS&L・貯蓄貸付組合危機や、(今回とは異なる)2000年代後半のリーマン危機を経て、銀行部門の資本は増えています。

 

[図表2]米国の銀行の総信用に対する自己資本の比率
[図表2]米国の銀行の総信用に対する自己資本の比率

 

景気循環は毎回のことです。すなわち、

 

1.いま起きていることは過去に何度も起きたことです。今後起きることも同様でしょう。

2.投資期間が景気循環よりも長い投資家が気にすることではまったくありません。

3.下げがあれば戻りがあります。今後の信用収縮の局面では、「10年に1度の買い場」がやってきます。

 

なにが来るかがわかれば、対処できます。そのために「歴史に学ぶ」、それが、レイ・ダリオの教えです。

 

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