(※写真はイメージです/PIXTA)

松田文雄氏の著書『「心の育ち」と「自分らしさ」―子育てと自戒―』より一部を抜粋・再編集し、「情に訴えるしつけ」と「脅すしつけ」についてみていきます。

「脅すしつけを受けて育った子ども」は…

一方、脅しによるしつけは怖くなくなったらおしまいです。しかも、しつけとは人をコントロールする手段の一つですから、脅すしつけを受けて育った子どもは、その手法を真似て人を脅して思いどおりにさせようということにもつながる要素があります。

 

たとえば恐喝です。脅して思いどおりにしようとしたり、脅してほしい物を手に入れようとしたりするような人にしないためにも多用すべきではありません。

 

しかし、本人が予測できないような大変な事態になることがわかっている場合には、脅すのではなく、なぜそのようなことをしてはいけないのか、どのような危険性が潜んでいるのかといった説明を丁寧にすることは必要です。

 

たとえば、火遊びをしている子どもに対して、「危ないからやめなさい!」と単に制止するのではなく、「ライターの火をつけて遊んでいると、気をつけていれば大丈夫だと思っていても、一瞬で燃えやすい物に火が移って火事になる危険があるからやめようね」という説明です。

 

脅すことと何が危険なのかを想像する力を養うことは、危険性を伝えることは同じであっても似て非なるものではないでしょうか。

 

 

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松田 文雄

東海大学医学部医学科卒業後、国立精神神経センター診断研究部流動研究員などを経て、東海大学大学院医学研究科修了。

現在、医療法人翠星会松田病院理事長・院長。精神科・児童精神科医師。

医学博士。精神保健指定医。日本精神神経学会専門医。日本精神神経学会指導医。子どものこころ専門医。

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『「心の育ち」と「自分らしさ」―子育てと自戒―』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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