(※写真はイメージです/PIXTA)

盗撮された!その時、突如人が現れ、犯人を捕まえて示談まで成立させてくれた…。盗撮の被害者にとっては、まさに恩人。ところが、それが示談金目当ての集団による仕業だったケースがあります。今回は実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた投稿をもとに、盗撮被害における注意点などを加藤孔明弁護士に解説していただきました。

「盗撮ハンター」の共犯の可能性は?

示談金をもらったことは法的に問題?

示談金を受け取ったことについて法的な問題が生じるかということですが、まず前提として、このAさんの行為が犯罪に該当するか検討する必要があります。今回のご相談事例の場合、「警察に行くか」と畏怖するような発言を行っていることから、恐喝罪(刑法249条)に該当する可能性があります。そうすると、次にご相談者様がAさんとの共犯関係にあるかという点が問題になります。事前に意思の疎通が図られていたわけではないので、一般的に共犯関係は否定されるだろうと思います。

 

もっとも、その場で、Aさんが恐喝行為を行っていると認識した上で、それに加担をすれば、共犯者とされうることもあります。また、この場合に示談金を受け取ってしまうと、分け前をもらうことと同様の意味を持つため、共犯者とされる根拠の一つになりうると言えます。

 

Aさんが盗撮ハンターだった場合は、服の修理代を払う?

破れた服の修理代を払うことで「盗撮ハンター」の共犯になるということは通常考えにくいとは思います。 もっとも、お礼をすることで、相談者様が盗撮ハンターの恐喝行為に対価を支払うことになるので、共犯者であることを根拠づける材料になりかねません。

 

もし可能であれば、受け取った示談金は、いったん犯人に返した上で、改めて適切に示談を行う方がよいでしょう。

まずは警察を呼ぶようにしてください

盗撮や痴漢の被害に遭われた場合で、犯人を捕まえることに協力してくれる人が現れた場合でも、まずは警察を呼ぶようにしてください。

 

今回のように、駅だった場合は、駅員さんを呼ぶようにしてください。

 

これは万が一、今回のご相談事例のように「盗撮ハンター」が犯人逮捕に協力した上で、人気の無い場所に移動して、脅迫あるいは恐喝を行うことを防ぐ効果があります。さらに言えば、盗撮や痴漢の被害に遭われた方が、「盗撮ハンター」のグル(共犯者)として疑われてしまうことを防ぐ効果もあります。

 

盗撮や痴漢に遭わないことが一番ではありますが、万が一、被害に遭われてしまった場合でも、警察や駅員を呼ぶことで、二次的なトラブルに巻き込まれることを防止するよう心がけてください。

 

また、残念ながら、被害に遭われてしまった場合でも、その場で被害者と示談をするのではなく、その金額が適切かどうか、示談の条件(接触禁止条項や処罰意見など)が妥当かどうかを考える必要があります。

 

可能な限り、お近くの弁護士に一度ご相談していただくことをおすすめしております。

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