「地球上で最も顧客を大切にする」をミッションとするAmazon…“桁違い”の取組みが次々に成功するワケ

「地球上で最も顧客を大切にする」をミッションとするAmazon…“桁違い”の取組みが次々に成功するワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

「地球上で最もお客様を大切にする企業、そして地球上で最高の雇用主となり、地球上で最も安全な職場を提供すること」を企業理念とするAmazon.com, Inc(以下、Amazon)。同社は理念実現のため、世の中の常識を変える多くの挑戦を成功させてきました。その挑戦に欠かせなかったのが「攻めのDX」だと、株式会社GeNEE代表取締役社長の日向野卓也氏はいいます。Amazonが成功させてきた“桁違い”の取組みの数々と、その成功要因について、詳しくみていきましょう。

「最短1時間で届く」を実現したAmazon Prime Now

Amazon Prime Now(アマゾン・プライム・ナウ)

こちらはAmazon Prime会員専用のデリバリーサービスであり、特定の商品、特定の地域に限り最短1時間で商品を提供するサービスです。有料なら1時間、無料サービスなら2時間で商品を配達地に送ることができます。

 

商品の配送は、対象エリア近隣にある配送センターの専用配送員が担当します。2023年3月時点、日本ではAmazon Prime Nowはすでにサービス終了となっていますが、代わりに最短2時間で生鮮食品を届ける「Amazonフレッシュ」というネットスーパー中心のサービスが広がりつつあります。

 

日本国内において、Amazon Prime Nowが流行しなかった理由は、やはりコンビニエンスストアの存在が大きいでしょう。米国や欧州と異なり、日本にはあらゆるところにコンビニが点在しています。到着まで数時間かかるのであれば、コンビニまで歩いて買いに行ったほうが早いのです。

 

一方、米国ではコンビニエンスストアまで車で数十分かかることが普通です。そのような状況であれば、Amazon Primeの会員になり、デリバリースタッフに商品を届けてもらったほうが効率的ということでしょう。

 

このAmazon Prime Nowが世の中に影響を与えた点は、やはり「配達速度の速さ」です。物流業界ではすでに「最短翌日配送」というのが当たり前になっていましたが、Amazon Prime Nowがさらにその常識を打ち破り、「最短1時間」という速さでの配達を可能にしました。

 

顧客は注文した商品がこれまでにない速さで届くという新たな顧客体験を得ることになり、物流業界にも大きな影響を与えました。

 

FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)

ここまで紹介してきたサービスは、Amazonを利用する“ユーザー視点”で考えられたサービスです。しかしAmazonには、Amazonに出品する“出品者”に対してサービスを提供するという視点も存在します。「FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)」は、この出品者に対して新しい顧客価値を与えたサービスです。

 

FBAでは、出品者に対して配送代行などのサービスを提供してくれます。たとえば、在庫の保管や注文内容を確認したピッキング、梱包対応や納品書の同封、宛名を記載して注文者に送付をする、このような作業をすべてAmazonが引き受けてくれるのです。

 

さらに24時間・365日対応可能で、FBAに登録した商品はPrimeマークをつけることができ、カートの獲得確率が上がります。また、「マルチチャネルサービス」というものもあり、他のECサイトで入った注文をAmazon専用倉庫から出庫することも可能です。

 

このように、さまざまなサービスを提供しているFBAですが、Amazonが一括で在庫管理するというのは大きな衝撃でした。これまでの総合ECサイトの場合、各ショップごとの在庫管理が基本でしたが、FBAの台頭により、Amazonで一元管理し、迅速に購入者に商品を提供するという新たな物流モデルを築いたといえます。

 

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