(※写真はイメージです/PIXTA)

デジタル化が進み、DXの需要はますます高まる一方で、DX人材の不足が深刻化しています。そのようななか、プログラミング言語を使用せずにWebサービスやアプリケーションなどのシステムを開発する手法があると、株式会社GeNEE代表取締役社長の日向野卓也氏はいいます。自社のDXを一気に進めるかもしれない「ノーコード」のメリット・デメリットをみていきましょう。

思うように進まない「日本のDX」

現在、日本の大企業を中心にDX(デジタル・トランスフォーメーション)の動きが加速しています。DX推進によって業務の改善や削減を図り、新たな価値の創出、競争優位性の獲得が可能になるからです。

 

ただこのDXを正しく進めていくには、デジタルやIT知識、ノウハウが必要不可欠になります。そのためデジタル人材やIT人材(以下、デジタル人材等とします。)が担う役割は今後益々大きくなると言えるでしょう。

 

しかしながら昨今のデジタル人材等の不足により、DXが思うように進んでいない企業も少なくありません。

 

一部導入のハードルはありますが、小規模事業者を中心として効果を生みやすいのがノーコードと呼ばれる開発手法です。

 

ノーコードを採用することで、デジタル知識のない人でもシステム開発を進めることができるでしょう。

 

DXで活用されるノーコードとは何か?

ノーコードとは、プログラミング言語を使用せずにWebサービスやアプリケーションなどのシステムを開発する手法です。ノーコード開発とも呼ばれています。

 

ノーコード開発は、マウスのドラッグ&ドロップ操作で直感的に開発が行える方法です。GUI上に設置された汎用的な部品(パーツ)を配置するだけで、簡単に画面や機能を作成することができます。

 

そのためプログラミングの知識やノウハウがないスタッフでも短時間で簡素なシステム開発が行うことが可能です。

ノーコード開発を行うメリット

知識やノウハウのない担当者でも開発できる

通常のシステム開発の場合、JavaやPHP、C言語、Ruby(RubyonRails)といったプログラミング言語を使用してソースコードを記述していきます。他方、ノーコードを用いてシステム開発を行う場合は、ソースコードを記述していく必要がありません。そのため、プログラミングに関する知識やスキルが無くても、開発することが一応は可能となります。

 

ノーコード開発では、シンプルなシステム開発、Webサイト、Webアプリ、スマートフォン向けアプリ開発などの叩き台(市場動向を把握するためのMVPや試作品のようなもの)を作ることが可能です。ノーコード開発用のプラットフォームを使用し、マウス操作、キーボード操作などで作成を進めていきます。

 

新技術を活用しやすい

ノーコード開発は、ノーコード運営会社が提供する専用のプラットフォーム上で簡易的なシステム、アプリの作成を行うものがほとんどです。専用のプラットフォームには汎用的な部品(パーツ)が準備されており、GUI上で、パーツをポチポチと配置していくことで開発を進めます。

 

使用できるパーツには、AIなどの新技術が組み込まれたものも一部用意されています。そのため、パーツを配置するだけで新技術を活用することが可能とも言えます。

 

従来、新技術を活用しながら開発を進めようとすると、新技術に精通したデジタル人材等の調達・確保や、新技術を習得するための学習期間の捻出が必要でした。しかしノーコード開発ではこれらが不要となり、新技術に関する知識やノウハウが無くても新技術の活用ができると言えるでしょう。

 

開発工数・開発コストの削減

ノーコード開発では、あらかじめ用意されているパーツを組み合わせて簡易的なシステムやアプリを制作します。そのためエンジニアの採用コストや委託コストもかかりませんし、難度のあるコーディング作業等も不要になるため、開発工数や開発コストを削減できる可能性を秘めています。

 

システムやアプリ開発をスピーディーに行うことで、エンドユーザやクライアントの要望に応じたものを即座に提供することが可能になります。

 

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