定年後にも時間管理が必要
■書きだすことで可能性が広がる
いかがでしょうか。「手帳を書く」ということでの、いくつもの可能性の広がりを感じていただけたでしょうか。
定年後に何もしないでいれば、体も心も老化が進んでいきます。
ここで、みなさんにお勧めした、手帳への日記は、手軽に始められて老化を防げる工夫としての代表例です。読書メモや映画メモでも、良いでしょう。
手帳に書きつけた物事から、さまざまなアウトプットを広げることもできます。
すでに手帳に書く習慣がある方もいれば、そうでない方もいると思います。
まだ会社に勤めている方で「今は働いていて時間もないから書けそうにない。けれど、定年後にやってみたい」と思うのだとしたら、ぜひ早めに始めることをお勧めします。
「面倒だなあ」と思う気持ちは、仕事をしなくなって時間が余るようになったからと言って、あまり変わるとは思えません。今、面倒だなと思うことは、きっと将来も面倒です。
書くということは、できれば早めに習慣づけたほうがいいと思います。
これは後々に、だんだんと記憶力も衰えていったときに役に立ちます。
認知症の初期は物忘れが多くなりますが、それ以外の機能はわりとしっかりしています。しなければいけないこと、気づいたことなどを書いておけば、生活への影響を抑えることだって可能です。ですから「メモをつける習慣をつけましょうね」とアドバイスをしています。
けれども、もとから書く習慣がないと新しく始めることになります。新しい習慣をつくるということは難しいですし、まずやりません。年を重ねるほどに、その傾向は高まります。
これまで「手帳を書く」ことの力をお伝えしてきました。ですが、これはその力の一面に過ぎません。
手帳には、「これまでのこと」も書けますが、「これからのこと」も書けるからです。
日々の出来事やそこで感じた気づき、感情は、すでに起こった「これまでのこと」です。しかし、みなさんには65歳から踏み出そうとしている「これからのこと」があります。つまり、未来に起こることや、起こしたいことを決めて、実行していく必要があります。
端的に言えば、時間の使い方です。定年後にも時間管理が必要です。
そして、もうお分かりですよね。
時間管理こそ、手帳の真骨頂と言っても良いでしょう。
和田 秀樹
ルネクリニック東京院 院長
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