(写真はイメージです/PIXTA)

成年後見人をつけた場合、その報酬や手続き費用はどの程度と考えておけばよいのでしょうか? 本記事では、成年後見制度の利用にかかる報酬や費用の相場について、相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説します。

成年後見人をつける手続きにかかる費用

成年後見人を新たにつけるための手続きでかかる費用は、主に次のとおりです。なお、ここで解説する費用は申し立てをするにあたって必要となる費用であり、継続的にかかるものではありません。

 

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家庭裁判所へ支払う費用

成年後見人をつけてもらう「後見開始の申立て」手続きに必要な費用は次のとおりです。

 

・申立手数料:収入印紙800円分

・登記手数料:収入印紙2,600円分

・連絡用の郵便切手代:裁判所によって多少異なるものの、おおむね3,000円から4,000円程度

 

医師の診断書や鑑定費用

成年後見人をつけてもらう後見開始の申し立てをするにあたっては、医師の診断書が必要となります。診断書の取得費用は医師によって異なりますが、数千円程度であることが多いでしょう。

 

また、裁判所が必要であると判断した際には、これとは別途、医師の鑑定が必要となる場合もあります。医師の鑑定にかかる費用は、おおむね5万円から10万円程度です。

 

必要書類の取得費用

後見開始の審判を申し立てるには、次のような書類が必要となります。

 

・本人の戸籍謄本(発行から3ヵ月以内のもの)

・本人の住民票(発行から3ヵ月以内のもの)

・不動産登記事項証明書など

 

これらの取得にかかる費用は本人の所有している不動産の数などによって異なりますが、おおむね数千円程度となることが多いでしょう。なお、個々の事情によりそのほかの書類も必要な場合がありますので、裁判所やサポートを依頼している専門家の指示に従ってください。

 

専門家報酬

成年後見制度の利用を始める際に必要な後見開始の審判は、自分で申し立てをすることもできますが、専門家のサポートを受けることも可能です。それにより申し立てに必要な書類を自分で記載したり集めたりする手間を大きく軽減することができるほか、成年後見制度を利用するにあたっての注意点など、個別事情に応じたアドバイスを受けることが可能となります。

 

申し立ての手続きを専門家に依頼した場合の報酬は、専門家の属性に応じて、おおむね次のとおりです。

 

・司法書士:10万円程度~

・弁護士:20万円程度~

 

ただし、これはあくまでも目安であり、報酬額や報酬の計算方法は専門家によって異なります。そのため、正確な金額を知りたい場合には、依頼を検討している先の事務所へ個別に問い合わせるとよいでしょう。

 

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