(写真はイメージです/PIXTA)

成年後見制度とは、判断能力が欠けてしまった人の代わりに、裁判所で選任された成年後見人が財産管理などを行う制度です。本記事では相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士が、成年後見人にはどのような人が選ばれるのか、制度を利用時にどんな注意点があるか、これらについて解説します。

「成年後見制度」とは?

成年後見制度とは、法定後見制度の類型の1つです。なかでも、認知症や精神障害などにより判断能力が欠けているのが通常の状態となってしまった方に代わり、成年後見人が財産を管理したり、本人に代わって契約を締結したりすることを可能とする制度が成年後見制度です。法定後見制度には、次の3つの類型が存在します。

 

■1:補助

判断能力が不十分な人が利用する制度です。この制度を利用すると、家庭裁判所の審判で決められた特定の法律行為についてのみ、家庭裁判所が選任した「補助人」に同意権・取消権・代理権が与えられます。

 

■2:保佐

判断能力が著しく不十分な人が利用する制度です。この制度を利用すると、借金をすることや保証人となること、不動産を売買することなど、法律で定められた一定の行為及びそれ以外の審判で決められた特定の法律行為について、家庭裁判所が選任した「保佐人」の同意を得ることが必要になり、同意のない行為は取り消すことができます。また、審判により特定の法律行為の代理権を「保佐人」に与えることができます。

 

■3:成年後見

判断能力が欠けているのが通常の状態である人が利用する制度です。この制度を利用すると、家庭裁判所が選任した「成年後見人」が本人の利益を考慮しつつ、本人を代理して契約などの法律行為をすることができるようになる他、本人がした法律行為を取り消すことができるようになります。

 

「任意後見制度」との違い

成年後見人などの法定後見制度と似たものに、「任意後見制度」が存在します。任意後見制度とは、本人の判断能力が十分あるうちに将来任意後見人を引き受けてくれる人と公正証書で契約を結んでおくことで、将来判断能力が不十分となった際にその相手に財産管理などをしてもらうことができる制度です。

 

後ほど解説しますが、成年後見人を誰にするのかは家庭裁判所が決定します。一方、任意後見制度ではあらかじめ契約を結んだ相手に後見人となってもらうことができる点が、最大の特徴といえるでしょう。

 

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