銀行員「残念ですが、対応できません」…父の葬式代120万円が必要な48歳・息子、銀行の対応に激昂「血も涙もないのか」【司法書士が解説】

銀行員「残念ですが、対応できません」…父の葬式代120万円が必要な48歳・息子、銀行の対応に激昂「血も涙もないのか」【司法書士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

町工場の2代目であるAさん(48歳)。先代であり父親のBさんを亡くし、父親名義の口座から葬儀費用を引き出そうとしたところ、窓口の銀行員に「残念ですが、今回のお引き出しは対応いたしかねます」と言われてしまいました。いったいなぜなのでしょうか。司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏が具体例をもとに、相続発生時、緊急費用を引き出せるようにするためのポイントについて解説します。

相続発生時はバタバタ…葬儀費用等まとまったお金が必須

まず、相続が発生した場合の大まかな流れをみていきましょう。身内の方が亡くなった場合、下記のような手続きが必要です。

 

1.死亡診断書の取得

2.死亡届の提出と火葬許可の申請

3.埋葬許可書の取得

4.各種手続き(勤務先・契約関係等)

5.相続人と相続財産の調査(遺言書の確認等)

6.遺産分割協議

7.銀行・保険・不動産・株式等の名義変更手続き

8.立替費用等の清算を行う

 

特に、3点目の「埋葬許可書の取得」から葬儀を行うまでが非常にバタバタします。葬儀にはまとまった金額が必要ですから、緊急で費用を捻出する必要も生じます。

 

しかし、こうした緊急費用を引き出せないケースが存在します。具体例をもとにみていきましょう。

町工場のAさんが銀行員から言われた「衝撃のひと言」

町工場の2代目であるAさん(48歳)。1週間前に、先代であり父親のBさん(76歳)を突然の事故で亡くしました。

 

Aさんは、葬儀費用等をBさんのプライベート用口座から引き出すため、いつも仕事で使っている金融機関とは別のサブバンクを訪れました。そして、父親の口座から120万円を引き出そうとしたそのときです。窓口の行員から、120万円の用途を尋ねられました。

 

Aさんが正直に、「実は1週間前に父が亡くなってしまったので、これは葬儀費用です」と答えたところ、行員の方が後ろに引っ込み、しばらく待たされてしまいました。

 

5分~10分後、窓口に現れたのは、先ほどの行員の上司でした。そして、上司はAさんにこう声をかけたのです。

 

「この度は誠にご愁傷様です。残念ですが、今回のお引き出しは対応いたしかねます

 

銀行のあまりにそっけない対応に、Aさんは思わず「おたくらは血も涙もないのか!」と激高してしまいました。

 

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