原油価格WTIは2月の前年同月比2ヵ月連続下落に。2月上旬入着原油価格・前年同旬比は上昇率が鈍化
貿易統計の入着原油価格が2月上旬で単価70,712円/kl、前年同旬比約15.7%になった(図表7)。
単価は直近高値の22年7月の99,575円/klから▲29.0%低下した。前年同月比のピークだった22年6月の101.4%からは大幅に低下した。原油価格WTIは23年2月76.86ドル/Bで前年2月の91.63ドル/Bに比べ▲16.1%で1月の▲5.8%に続き2ヵ月連続前年同月比マイナスになっている。原油価格本体はだいぶ落ち着いてきていて、円ベースでみると、為替の円安の影響(2月月間で15.2%)が残っているようだ。23年後半の物価安定要因となってこよう。
ラニーニャ現象終息。夏は平常状態かエルニーニョ、電力消費量抑制要因に。花粉飛散が予測の半分なら…
気象庁・エルニーニョ監視指数は2月中旬▲0.1℃で平常状態の範囲に入っている(図表8)。
「2021年秋から続いているラニーニャ現象は終息しつつある。今後、ラニーニャ現象は冬の終わりまでに終息して平常の状態になる可能性が高い(90%)。その後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)。」という気象庁の2月エルニーニョ監視速報に沿った動きである。気象庁の見通し通りに、今年の夏が平常状態かエルニーニョ現象発生なら、今年の夏の電力使用量の抑制要因として働こう。
なお、今年の花粉飛散数(東京・大田)は予測最大値、最小値、これらの平均値すべてが85年以降38年間で多い方から2005年、2018年に次ぐ3番目だ。昨年の倍以上になる見込みの、コロナ禍で初の花粉の大量飛散は外出を控えるというマイナスの影響をもたらすが、仮に予測の平均値の半分の飛散に下振れるなら、消費にプラスに働く可能性もある。3月の飛散数に注意が必要だ。
22年金融機関の店舗強盗7年ぶりの増加。22年自殺者数前年比2年ぶり増加。23年1月も増加でスタート
最近の身近なデータは、明暗分かれている。犯罪統計などでは芳しくない動きがみられる。金融機関の店舗強盗事件は19年13件、20年11件、21年9件と近年は発生が少ない状況が続いてきた。しかし、22年は17最近の身近なデータは、明暗分かれている。犯罪統計などでは芳しくない動きがみられる。金融機関の店舗強盗事件は19年13件、20年11件、21年9件と近年は発生が少ない状況が続いてきた。しかし、22年は17件となり、15年以来7年ぶりの前年比増加となった。
また、刑法犯総数の認知件数は近年減少傾向で、昨年は56.8万件と前年比▲7.5%の減少だった。しかし、22年の前年比は+5.9%で、12月単月だと+9.4%である。自殺者数の前年同月比は21年7月~22年4月まで10ヵ月連続して減少だったが、22年5月~11月では7ヵ月連続増加になった。12月暫定値は0.0%と横這いになったが、22年年間では前年比+4.0%と、20年以来2年ぶりの増加になった。23年1月分暫定値は前年同月比+2.9%と増加で始まった(図表9)。