新型コロナウイルス関連・現状判断DI、5ヵ月連続50超と景気のプラス要因。「価格or物価」判断が景況感に影
「景気ウォッチャー調査」では20年1月調査で初めて登場した「新型コロナウイルス」は21年半ばまで景況感の大きなマイナス材料となっていたが、最近ではプラス要因として働くようになった。ワクチン接種がそれなりに進み、新型コロナウイルスの感染が拡大している時期でも行動制限がとられていないからだ。毎月コメントするウォッチャーのコメント数は1,800件前後だが、これまでの「新型コロナウイルス」のコメント数・最多は、現状判断998件、先行き判断1,085人と過半数超えで、どちらも20年3月に記録した。22年での最多は、現状判断・先行き判断とも1月で、各々724件、929件だった。23年1月は各々224件、330件と1年前に比べかなり減少した。新型コロナウイルス関連・現状判断DIは直近の22年9月から23年1月までは5ヵ月連続で50超となった。新型コロナウイルスが景況感の足を引っ張らなくなった。
一方、物価高による悪影響など相変わらず懸念材料は多い。「価格or物価」関連DIを算出すると、22年では、現状判断DIは2月に30.1と年内で一番低い水準になった。その後9月の39.4まで30台、10月~12月までは40.0を小数点第1位で僅かに上回る水準になったが、23年1月で35.1と再び30台に落ち込んだ。先行き判断DIは22年では12ヵ月全てで30台と、景気判断の分岐点50をかなり下回る弱い数字になった。23年1月も38.2と30台が継続している。コメント数は、22年中で現状判断が最多なのは10月の236件、10月は食品値上げ品目数が最多だった。23年は1月で早くも250件になった。先行き判断は6月の410件が最多、12月は329件だった。23年は1月で390件になった。コメント数の動向からみて、22年は年初「価格or物価」判断の寄与度はそれほど大きくはなかったが、22年末から23年初にかけ寄与度は大きくなり、価格高騰の影響が景況感に影を落としていることが感じられる(図表4)。