(※写真はイメージです/PIXTA)

様々な要因によって世界的なインフレが起こり、将来の展望が正確に描けない昨今。自身の資産を守り、未来につなげていくためには、どのような行動を取ればいいのでしょうか。複眼経済塾の取締役・塾頭、エミン・ユルマズ氏が、著書『エブリシング・バブルの崩壊』(集英社)から、世界経済の展望と、日本経済にに潜むチャンスについて解説します。

株投資におけるオプションとは?

日常的に使うクレジットカードの契約にもオプションは存在する

オプションとは「権利」のことである。オプションについてはよくわからないという人が多いと思うが、コールオプションとは、あるものを「決められた時期までに決められた価格で買う権利」で、プットオプションは逆にそれらを「売る権利」のことである。

 

私たちが一般生活で使っているものにもオプションは存在する。皆さんが気付いていないだけの話である。

 

たとえば、ローン契約にはたいていはオプションがついている。クレジットカードも同様で、通常はお金を借りると一定期間で一定の金利で返していく。ただし、借りた側にはそれを早期で終了させるオプションがついているわけである。早期返済も立派なオプション契約といえる。

昨今米国市場で流行するコールオプションとは?

それはさておき、今回の米国株バブルのなかで流行やっているのがコールオプション。これは現物株の10分の1などの小さな価格設定がなされていて、少額で買えるわけである。オプション契約をつくって販売するのは証券会社で、彼らはマーケットメーカーと呼ばれる。

オプション販売によりガタガタになる米国の証券会社

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

コールオプションを販売したときに証券会社で何が起きているのかというと、証券会社自身がリスキーなポジションを取っているのだ。

 

つまり、設定した銘柄の株価が上がったときには、当然ながらコールオプションを買った人がオプションの権利を行使したくなるわけで、そのときに証券会社がその株を持っていないと、市場で高いままの現物株を買わざるを得ず、そこで損を出してしまう。

 

つまり、コールオプションが買われるほどマーケットメーカーは、自分のポジションをヘッジするために実際の株を買わなければならない。

 

エミン・ユルマズ

複眼経済塾取締役・塾頭

著者画像撮影 Rikimaru Hotta

本連載は、エミン・ユルマズ氏の著書『エブリシング・バブルの崩壊』(集英社)から一部を抜粋し、再構成したものです。

エブリシング・バブルの崩壊

エブリシング・バブルの崩壊

エミン・ユルマズ

集英社

不安定な社会情勢のなかで、日本の投資家はどのように資産防衛・運用を行えばよいのでしょうか。今後の世界経済に大きな影響を与えるであろう「エブリシング・バブル」と呼ばれる米国発のバブルと、その周辺事情について解説。

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