(※写真はイメージです/PIXTA)

様々な要因によって世界的なインフレが起こり、将来の展望が正確に描けない昨今。自身の資産を守り、未来につなげていくためには、どのような行動を取ればいいのでしょうか。複眼経済塾の取締役・塾頭、エミン・ユルマズ氏が、著書『エブリシング・バブルの崩壊』(集英社)から、世界経済の展望と、日本経済に潜むチャンスについて解説します。

専門家が断言「日本株と米国株は間もなく逆転の兆し」

日本の個人金融資産総額がどうやら2,000兆円を突破したようだ。

 

ただ、個人金融資産の中身を見ると、相変わらず株で運用している人は11%でしかない。やはり預金は54%と高い。

 

日本人の株への投資で残念なのは、日本株を買わずに、いまは米国株に夢中になっていることである。こうした人たちはドル高で儲かっているのと、米国株が上がっているのでダブルで儲けて、金融資産を増やしている。

 

米国株が大きく下がり始めると、日本人の米国株買いの流れが変わるかもしれない。

 

日本株も当然連れ安となるのだろう。けれども、米国株ほどは落ちない。下げ幅は限定的で、再度上がっていく。

 

理由は、株はサイクルであるからだ。要は順番なのだ。ここ30年間日本株がバブル崩壊後、低迷を続けたのに対し、米国株は高値を何度も更新、株高時代を存分に謳歌かした。これが逆転するわけである。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
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専門家が「日本株の積み立て」をすすめるワケ

したがって、私がお勧めしたいのは「日本株の積み立て」である。ただ、指数や好きな個別株を少しずつ買い増していくのも良い。

 

これは冗談に聞こえるかもしれないが、有事が近づきハイパーインフレになるような場合には、自己防衛として預金の価値を減らさないためにも、株式投資を勧めたい。

 

リスクの低い投資先としては、防衛関連株などのバリュー株は最適である。三菱重工、川崎重工、IHIなどの防衛関連株は、これまで見向きもされなかったので、とても割安である。少し範囲を広げて、重厚長大で、これまで株価がもたついていたところも狙い目ではないか。

 

もう一つは食料、飲料関連株だろうか。これもやはりディフェンシブ銘柄で、たとえ有事になっても需要は落ちることはない。これらの株式はいまのところ大バーゲンセール状態のように割安である。以上のような個別銘柄をコツコツと買い進めて、長く持つつもりで宝物にするのは、今後お勧めの投資法だと思う。

次ページインフレ時代の備えとして株の次に有用な資産は?

本連載は、エミン・ユルマズ氏の著書『エブリシング・バブルの崩壊』(集英社)から一部を抜粋し、再構成したものです。

エブリシング・バブルの崩壊

エブリシング・バブルの崩壊

エミン・ユルマズ

集英社

不安定な社会情勢のなかで、日本の投資家はどのように資産防衛・運用を行えばよいのでしょうか。今後の世界経済に大きな影響を与えるであろう「エブリシング・バブル」と呼ばれる米国発のバブルと、その周辺事情について解説。

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