バブルには2種類ある
〝弾けないバブル〟というものは歴史上なかったが、バブルというものの本質に関して、少し歴史を振り返って考えてみよう。
バブルには大きく分けて、一つは新しい土地を開発するときに起きる「不動産バブル」、もう一つは新しいテクノロジーによって起こされる「テクノロジーバブル」の2種類がある。
不動産バブルでいうと、18世紀初頭に「ミシシッピバブル」が起きている。北アメリカに植民地をもっていたフランスが立てたミシシッピ川周辺における開発・貿易計画、いわゆるミシシッピ計画がバブルをつくった。投資対象は株式だった。
英国では1840年代に鉄道への投資熱が高まり「鉄道バブル」となったが、これは新しいテクノロジーによって引き起こされたといえる。
1890年代に英国で起きたのは「自転車バブル」。英国では空前のサイクリングブームとなったが、同時にタイヤブームを迎え、あのダンロップ社が誕生している。
そして1880年代から1891年まで、オーストラリアでは「不動産バブル」が起きた。
米国バブルの歴史
その後米国では、1900年から1907年まで続いた普通の株式投資バブルを経て、1920年代からは「RoaringTwenties」といって洗濯機、ラジオなどさまざまな電化製品の登場によって起きた「家電バブル」が、1929年の大恐慌発生まで続いた。
戦後になって1970年代には「コンピュータチップ」のバブルが起き、90年代にはご存じITバブルが起きて、弾けた。2002年から2007年は米国の不動産バブルが発生し、リーマン・ショックで終わった。
それで、いまは何バブルなのか? ありとあらゆる資産の価格が上がっていることから、私は「エブリシング・バブル」と命名している。