事業承継ファンド活用の注意点
会社の価値向上にもつながる事業承継ファンドを活用する際には、慎重なファンド選びが重要です。実際に受けられる支援内容を確認した上で選びましょう。M&Aアドバイザーを利用するなら、アドバイザーへの費用が発生する点に要注意です。
ファンドは慎重に選定する
事業承継ファンドによるM&Aを成功させるには、自社に合うファンド選びがポイントといえます。自社に必要な支援ができるファンドなのかを、ファンドが担当した過去の事例から検証しましょう。同業種や同規模のM&Aで、実際にどのような支援が行われたか確認するのがおすすめです。加えて、長期的な視点を持っているかも確認します。短期的な利益を追うファンドでは、会社が十分に成長できないかもしれません。
またどんな担当者なのかも重要です。会話をしていて「どうも信頼できない」といった印象があるなら、見送った方がよいでしょう。事業承継の専門家や税理士など、専門家に意見を聞くのも有効です。
M&Aアドバイザーへの費用が発生
M&Aアドバイザーを利用するには費用がかかります。具体的な金額はアドバイザーごとにさまざまです。成功報酬はどのアドバイザーに依頼しても必要ですが、計算に用いる取引金額の扱いが異なる点に注意しましょう。『株式価額ベース』なら、売却で得た金額に対して費用がかかります。
『移動総資産ベース』では株式価額に総負債額を加えるため、費用が高額になりがちです。中小企業であれば2,000万~5,000万円を目安として、費用も考慮しアドバイザーを選びましょう。
事業承継ファンド活用で可能性が広がる
後継者がいない場合、会社は廃業しなくてはいけません。後継者不在による廃業への対策として、事業承継ファンドの活用も検討しましょう。ファンドへ株式を売却することで、事業の継続が可能です。
さらに対象会社は、企業価値向上に向けたサポートをファンドから受けられます。経営者にとっては、適正価格で株式を売却できるのも魅力です。