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景気後退は最短で「今年10月~11月頃」か

雇用者数の伸びは、直近時点が前年比「+3.3%」で、人口動態に抗うような大きな伸びです。

 

[図表5]の【赤い網掛け部分】のとおり、過去を見ると、前年比「+3.3%」だった雇用の伸びが、「+1.5%」まで鈍化するには「9ヵ月程度」(中央値)を要しています。

 

[図表5]米国の景気後退を判定するための主要指標(いずれも前年同月比)
[図表5]米国の景気後退を判定するための主要指標(いずれも前年同月比)

 

加えて言えば、「+1.5%割れ」即「景気後退」ではなく、「+1.5%割れ」から「景気後退開始」まで、最大で13ヵ月程度の期間を要しています。

 

以上をまとめれば、景気後退にいくとしても、その時期は「最短で、いまから9ヵ月後の、今年10月から11月頃」となります。

景気後退への「2つの備え」

1.株式なら安値を拾いましょう。来年1月からの「NISA拡充」とタイミングが合います。ただし、「次の30年」は「過去の30年」のような黄金時代とは異なります。パフォーマンスのよいアクティブ・ファンドにも分散をさせたほうがよいでしょう。

 

2.景気後退時の備えとしては、リスク資産のなかでは、米国ハイ・イールド債券が良好なリスク・リターンを示します。「ディフェンシブ資産」として、高配当株式や公益株式が「ささやかれる」かもしれません。しかし、肝心の景気後退時には、高配当株式や公益株式に比べて、米国ハイ・イールド債券が優位です。

 

[図表6]景気後退前後の公益・高配当株式と米国ハイ・イールド債券
[図表6]景気後退前後の公益・高配当株式と米国ハイ・イールド債券

 

 

重見 吉徳

フィデリティ・インスティテュート

首席研究員/マクロストラテジスト

 

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