株価は「景気後退」のなかで大底をつける
筆者は、昨年6月時点で、1871年からのデータに基づき、米国株価の底打ちタイミングを考えました。より具体的には「今年4~5月頃」としていました。これには2つの「ただし書き」があります。その2つとは、
1.「景気後退のなか」の株価の動きをみたものである
2.過去の「平均的な」動きをみたものである
ということです。
今日は、上記1に基づいて、米国株価の底打ちタイミングをアップデートします。というのも、過去に景気後退を「予測」してきた多くの指標は、景気後退が今後、訪れる可能性を示唆しているものの、まだ、足元は景気後退には入っていないとみられるためです。
結論を言えば、データに基づくかぎり、「景気後退に行くとすれば、株価底打ちのタイミングは、今年末から来年以降」となります。
「底値1点買い」は不可能ですから、いまから安値を拾っていく投資戦略に変わりはありません。もちろん、①景気後退に行かないかもしれませんし、②これよりも早めに底打ちをする可能性もあります。
当社が利用するデータベンダーの場合、S&P500の日次データは、1964年から取ることができます。[図表1、2]に示すとおり、1964年以降の景気後退時をみると、株価は景気後退の「中」で大底をつけます。
ですから、①過去のデータを信頼し、②「景気後退に行くものの、足元は景気後退にない」とすれば、大底はこれからです。
筆者は、過去のデータに基づき、「景気後退が来るなら、その開始時期は、最短で今年の10~11月頃から」としました。これに基づけば、株価が大底をつけるタイミングは、同じく、最短で「今年の10~11月頃以降」となります。
もう少し「具体的に」いつなのかを考えてみます。