(写真はイメージです/PIXTA)

契約書作成やトラブル対応など、企業内の「要」となる業務を行う「法務部」。法務部員は法律に関連するさまざまな業務を担うことから、法律の素養がまったくない人を採用してしまうと、問題なく実務を任せられるレベルに達するまでに長い期間や教育コストを要する可能性が高いと、Authense法律事務所の西尾公伸弁護士はいいます。法務部の人材難に悩んでいる経営者に向けて、西尾弁護士が解決策を紹介します。

法務部を外注(アウトソーシング)するメリット

法務部員を自社で雇用せずアウトソーシングをすることには、さまざまなメリットがあります。主なメリットには、次のものが挙げられます。

 

1.人材採用のコストと手間が削減できる

優秀な法務部員となり得る人材は希少であり、また多くの企業が欲しがっています。そのため、そういった人材を採用するには相当な手間とコストを要するでしょう。

 

しかし、法務部を弁護士に外注すれば、自社で法務部員を新たに採用する必要がありません。これにより、人材採用にかかるコストや手間を大きく削減することが可能となります。

 

2.自社で教育するコストが削減できる

法律は日々改正されているため、知識も常に最新情報へとアップデートし続けなければなりません。そのため、自社で法務部員を雇用する場合には、研修へ積極的に参加させるなど、教育に相当の時間やコストを割くことが必要です。

 

しかし、法務部を外注すれば、自社で教育をするコストも削減できます。

 

3.小規模な企業でも導入しやすい

特に小規模な企業では、法務部の業務がそれほど頻繁に発生するわけではありません。これに備えて常に自社で人員を雇用し続けることは、あまり現実的だとはいえないでしょう。

 

一方、法務部を外注した場合には、必要な業務をその都度依頼することが可能です。そのため、自社で人材を雇用し続ける必要がなく、小規模な企業であっても法務部の機能を持つことが可能となります。

 

4.一定水準の法務機能が担保される

法務部の能力は、法務部員の能力に左右されることが少なくありません。そのため、企業としては、できるだけ優秀な法務部員を採用したいことでしょう。

 

しかし、その人が優秀な法務部員となるかどうかを採用前に正確に見極めることは困難です。ある資格を持っているからといって、必ずしも自社の法務部が必要とする人材であるとは限らないためです。

 

また、法務部が担う業務は特殊であり、平時には結果が見えにくいものです。それゆえ、法務部員として採用した人が果たすべき役割を果たしているのかどうか、経営陣や採用担当者が判断することは容易ではありません。たとえば、契約書のチェックが甘かったことに気づくのは、実際にトラブルが起きてしまってからという事態にもなりかねないでしょう。

 

一方、法務部をアウトソーシングした場合には、一定の能力が担保されているため、安心して業務を任せることが可能です。

 

◆まとめ

法務部は、契約書のチェックやトラブルへの対応など、企業法務に関するあらゆる業務を担当します。ひとつ間違えれば大きな問題へと発展する危険性があり、非常に高い専門性が必要です。そのため、法務部員には、可能な限り法律関係の資格保有者を採用することが望ましいでしょう。

 

しかし、優秀な法務部員を自社で採用することは容易ではありません。法律関係の資格保有者は独立開業をしていることも多く、また優秀な法務部員となり得る人材は多くの企業が採用したがっているためです。

 

また、法務部門の業務が均一的に発生しない場合には、コストの面から見ても自社で法務部を維持し続けることは効率的ではないでしょう。

 

そこで検討したいのが、法務部門のアウトソーシングです。

 

 

西尾 公伸

Authense法律事務所

弁護士

 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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