家賃設定の目安は?
家賃設定について、物件選びの段階で心にとどめておいていただきたいのは、当然ながら、周辺の家賃相場よりも高く設定した場合、入居希望者の確保がとたんに難しくなるということです。これは大阪でのワンルームマンション投資に限らず、不動産投資全般についていえることですが、とくに大阪では価格の妥当性に対して厳しい目が向けられるため、たとえ1000円や2000円の差であっても、影響は大きいと考えたほうがよいでしょう。
したがって、物件選びに際しては、賃貸不動産に関する情報サイトをひととおり確認して、周辺エリアの家賃相場を把握しておくべきです。物件を購入した場合、どの程度の家賃収入を得ることができるのかが、おおよそ想定できます。なお、契約内容にもよりますが、家賃を上げるにせよ、下げるにせよ、家賃の改定は入居者が入れ替わる際に行うのが無難です。
大阪では「敷金・礼金」がない物件が一般的
ちなみに、大阪では賃貸契約の際の「敷金」と「礼金」が発生しない物件が少なくありません。その代わり、退去する際のハウスクリーニング費用は入居者が負担するという慣行が一般的です。
こうした慣行や商習慣にも地域性があらわれるため、大阪にあまり土地勘のない方がワンルームマンション投資を行う際には、基本的な知識として知っておいたほうがよいでしょう。
設備は「必要最低限」に抑える
物件を選ぶ際、注意すべきことのひとつは、設備については必要最低限に抑えるということです。たしかに、設備が充実した物件は入居者に対するアピールポイントになりますが、あまりお金をかけすぎると、利回りが悪くなります。
また、設備を充実させることで家賃が上がってしまっては、入居希望者に敬遠されてしまいます。つまり、過剰に設備を充実させることは、オーナーにとっても、入居者にとっても好ましいとはいえないわけです。したがって、設備に投じるコストはできるだけ抑えたいのですが、だからといって必要な設備まで不足してしまうと逆効果です。
たとえば、いまどき温水洗浄便座が設置されていない物件は、周辺の相場よりも家賃を低く設定しなければ、入居を希望する人は少ないでしょう。必要最低限の設備とはどの程度のものなのか、そのエリアの事情に詳しい不動産会社の見解も参考にして、慎重に見極めたいところです。
エリアの特性によって事情は異なるものの、設備を考える際には女性の目線を意識すると、間違いが少なくなると思います。つまり、女性が入居した場合に「ないと困るもの」は、必要最低限の設備と考えてよいでしょう。
具体的にいえば、温水洗浄便座やドレッサー(洗面化粧台)、浴室乾燥機といったあたりでしょうか。一方、食洗機やディスポーザー(生ごみ粉砕機)は、あれば便利ではあるものの、必ずしも「ないと困るもの」とはいえないでしょう。
もっとも、生活スタイルが少しずつ変わったり、企業努力などによって設備の価格が安くなれば、設備に対する認識も変わります。そうした変化に対する情報感度は高めておいたほうがよいでしょう。
毛利 英昭
株式会社リンクス
代表取締役
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