「未成年の孫に財産を渡したい」──子どもや孫に安全に相続するために、非常に有効なのが「贈与契約書」です。贈与について知っていないと、後に大変な自体になってしまうかもしれません……相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届け。今回は、「贈与契約書」についてお伝えします。
未成年者と贈与契約書を結ぶときの注意点
未成年者と贈与契約書を結ぶにあたって、注意すべきことはどのようなことでしょうか。注意点を2つ紹介します。
親権者が“徹底的に”財産を管理する必要がある
受贈者が未成年者である場合、贈与された財産は親権者が管理します。親権者はその財産を間違っても自身のために使ってはならず、未成年者の財産として徹底的に管理しなければなりません。決して、子どものものは親のものというわけではありません。
ただ預かるだけでなく、贈与税がかかる場合は申告する必要もあります。そして、未成年者が成年に達したときには管理していた財産をすべて未成年者本人に引き渡さなければなりません。成年に達した日以降は、どれだけ大金であっても“本人”が管理しなければなりません。
贈与時の口座の管理方法
贈与のつもりで受贈者名義の口座に振り込みをしても、贈与と認められない場合があります。たとえば、贈与者が通帳やキャッシュカードを管理していれば贈与が成立したとはいえず、税務署から相続税逃れのために名義を移しただけではないかと判断されてしまう可能性があります。
その場合、贈与財産ではなく相続財産とみなされ、相続税の対象となる場合があることに注意しなければなりません。
相続財産とみなされないためには、以下の2つに注意しましょう。
・贈与財産が実際に受贈者に移転しているか
・移転後の管理は誰が行っているか
未成年者の贈与契約に関する相談先は?
未成年に対する贈与や、贈与契約書の書き方について解説しました。未成年者への贈与は、注意すべき点が成年者の場合よりも多いことや、財産や口座の管理を完璧にこなせる人がなかなかいないことから、越えるべきハードルが高いです。
そのため、弁護士や司法書士といった専門家に頼るのがおすすめです。費用はかかりますが、もっとも安心でスムーズな方法です。また、相続診断士に相談することもおすすめです。トラブルなく自身の望みを確実に叶えるために、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社サステナブルスタイル
代表取締役
株式会社サステナブルスタイル代表。遺品整理の現場で残された家族の姿をたくさん見てきた経験から、明らかに「円満なご家族」と「不穏な空気のご家族」に分かれることに気がつき「円満な相続」を迎えるために何ができるだろう、と考えたことをきっかけに、2022年8月10日、23篇に及ぶ相続に関する実話を紹介する本「もう会えないとわかっていたなら」を出版。Amazonの日本文学(日記・書簡)カテゴリで1位を獲得。同書籍の抜粋転載記事は、Yahoo!ニュースのライフカテゴリでアクセス数1位を記録。
相続終活のWebメディア「円満相続ラボ」を運営し、相続を円満に終えるために必要なノウハウを発信している。
株式会社サステナブルスタイル
相続終活メディア「円満相続ラボ」
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載相続・終活の疑問を解決!円満相続にたどり着く方法を具体例とともに徹底解説
株式会社サステナブルスタイル
円満相続ラボは「全ての家庭に、相続の『かかりつけ医』を。」をコンセプトに、相続終活の情報発信を通じて、争う相続を減らし円満相続に貢献することを目的としている相続終活のWebメディア。まだまだ相続について詳しくない方が多い中で「円満相続ラボ」を通じて、相続の「こんなはずじゃなかった」を減らしていくために日々情報発信を行なっている。
相続終活に関する情報提供はもちろんのこと、コラムを読んでくださった方が抱えている課題に合った相続の専門家の派遣も行っている。
相続終活メディア「円満相続ラボ」
運営:株式会社サステナブルスタイル
協力:株式会社スタルジー
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載相続・終活の疑問を解決!円満相続にたどり着く方法を具体例とともに徹底解説