(※写真はイメージです/PIXTA)

相続税は、まったく払わなくていいケースもあれば、相続財産が0円でも払う必要があるケースもあり、網羅するのは大変です。しかし、納付をしなければ、延滞税を払わなければならないなどの問題が発生する恐れがあります。後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届け。今回は、「相続税」について知り、相続の不安をなくしましょう。

相続が少なくても相続税の申告等手続きは必要なのか?

相続が発生し、被相続人の遺産を相続人が引き継いだ場合、必ず相続税を申告・納税しなければいけないわけではありません。

 

まず被相続人の遺産から、被相続人が負った債務(借金・未払金等)や一定の金額を控除し、申告・納税の有無を判断します。

 

そのためには被相続人の財産調査を行い、どのような財産を保有し金額はどのくらいになるか、債務額はいくら残っているのかを確認しましょう。また、用意されている基礎控除も把握しておくことが大切です

基礎控除の計算方法は?

相続税が課せられる基準は、被相続人の遺産から債務等を差し引いた課税価格の合計額が、基礎控除額を上回るか否かで決まります。

 

基礎控除は「3,000万円+(600万円×法定相続人)」で算定します。具体例をあげて計算してみましょう。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

(例)法定相続人4人が遺産を相続した

・遺産総額:5,000万円

・債務・葬儀費用:500万円

・相続開始前3年以内に被相続人から暦年贈与で取得した財産価額:800万円

 

まずは遺産総額から債務・葬儀費用を差し引きます。

 

5,000万円-500万=4,500万円

 

純資産価額は4,500万円です。ただし、相続開始前3年以内に暦年贈与で得た財産価額があるので、純資産価額へ上乗せします。

 

4,500万円+800万円=5,300万円

 

5,300万円が課税価格の合計額です。

 

次に基礎控除を算定します。法定相続人3人なので

 

3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円

 

課税価格の合計額から基礎控除額を比較します。

 

課税価格:5,300万円  <  基礎控除額:5,400万円

 

課税価格が、基礎控除額の範囲内に収まるので、相続税の申告も納税も不要です。

相続税の申告が不要な様々なケースをご紹介!

基礎控除額以下ならば、相続税の申告・納税は必要ありません。その他、次のようなケースに合致すれば基礎控除額を超えても申告は不要となる場合もあります。

 

障害者控除

遺産を取得したとき日本国内に住所があり、ハンディキャップのある法定相続人がいた場合に適用される控除です。控除額は次の通りです。

 

・一般障害者(特別障害者以外):(85歳-相続発生時の年齢)×10万円

・特別障害者(重度の知的障害者等):(85歳-相続発生時の年齢)×20万円

 

具体例をあげて控除額を算定してみます。

 

・法定相続人1名:一般障害者

・相続発生時の年齢:60歳1ヵ月

 

85歳-60歳1ヵ月=24年11ヵ月

 

端数切り上げで25年となります。

 

25年×10万円=250万円

 

よって、250万円が控除対象となります。この控除額を差し引き、納税額が0円になれば申告不要です。

 

なお、ハンディキャップのある法定相続人が控除額を使い切れない場合、他の相続人(扶養義務者)も残りの控除額を利用できます。

次ページ未成年者控除、「2回目」の相続のときも

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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