「未成年の孫に財産を渡したい」──子どもや孫に安全に相続するために、非常に有効なのが「贈与契約書」です。贈与について知っていないと、後に大変な自体になってしまうかもしれません……相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届け。今回は、「贈与契約書」についてお伝えします。
未成年者にも贈与契約は有効? 保護者の同意が必要?
未成年者でも贈与契約を有効に結べるのか、保護者の同意は必要なのか、順番に解説します。
未成年者でも贈与契約は可能
未成年者でも贈与契約はできます。ただし、親権者の同意を得るか、親権者を代理として契約を結ばなければなりません。契約書を交わす際は、親権者の署名押印が必要です。未成年者が署名できるなら署名押印し、それに加えて親権者も署名押印します。
しかし、未成年者が単独で契約を結んだ場合も、無効になるわけではありません。贈与は、贈与者の「あげます」という意思表示に対し、受贈者の「もらいます」という意思表示が合致すれば成立する契約です。
そのため、取消さない限り有効です。なお、法定代理人の同意なく行われた贈与は、法定代理人によって取り消せます。
また、贈与を受けるのに、年齢による制限はありません。たとえ0歳でも受贈者になれます。意思表示ができなくても、親権者が受諾すれば、未成年者が贈与の事実を知らなくても契約は成立します。
未成年者の贈与契約時における“親権者の同意が不要”な場合
単に権利を得るだけの単純贈与であれば、親権者の同意は不要です。たとえば、お小遣いやお年玉をもらう場合などが該当します。
ただし、贈与税の申告が必要なケースは単に権利を得るだけとはいえず、親権者の同意が必要です。なお、同意が不要な場合は、契約の内容を理解し意思表示ができる程度の意思能力が必要であるとされています。
株式会社サステナブルスタイル
代表取締役
株式会社サステナブルスタイル代表。遺品整理の現場で残された家族の姿をたくさん見てきた経験から、明らかに「円満なご家族」と「不穏な空気のご家族」に分かれることに気がつき「円満な相続」を迎えるために何ができるだろう、と考えたことをきっかけに、2022年8月10日、23篇に及ぶ相続に関する実話を紹介する本「もう会えないとわかっていたなら」を出版。Amazonの日本文学(日記・書簡)カテゴリで1位を獲得。同書籍の抜粋転載記事は、Yahoo!ニュースのライフカテゴリでアクセス数1位を記録。
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連載相続・終活の疑問を解決!円満相続にたどり着く方法を具体例とともに徹底解説
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相続終活に関する情報提供はもちろんのこと、コラムを読んでくださった方が抱えている課題に合った相続の専門家の派遣も行っている。
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