未成年者との贈与契約書の作成方法と作成する際の“必須事項”
贈与契約書はどのように作成すればよいのでしょうか。未成年者との贈与契約書の作成方法と、作成する際の必須事項について解説します。
贈与契約書を結んだほうがいい理由
贈与契約の際には、契約書を交わすことをおすすめします。たとえ口頭での約束であっても贈与契約は成立しますが、契約書を交わしていないと贈与の存在を誰にも証明できず、履行していない部分に関しては気まぐれで解除するなどということも容易にできてしまうためです。
受贈者が未成年者であればなおさらです。契約が有効に成立したことや親権者の同意があったことを証明するのは難しく、受贈者が成年者である場合よりもトラブルになる可能性が高いといえます。
契約書を交わしておくことで、第三者に対して贈与の存在を証明でき、記録としても残せます。
贈与契約書の作成方法
当事者の記入欄も含めてパソコンで作成しても効力に支障はありませんが、当事者の記入欄に関しては直筆のほうが信頼度が上がるためおすすめです。
逆に、当事者の記入欄までパソコンで作成すると、誰でも作成できてしまい信ぴょう性に欠けてしまいます。
受贈者側は、未成年本人の署名押印だけでなく親権者の署名押印も必要です。このとき使用する印鑑は、必ずしも実印である必要はありません。シャチハタのような浸透印でなければ認印でも構いません。しかし、確かに本人が押印したという証明になるため実印での押印が望ましいです。
契約書は同じものを2通作成し、贈与者と受贈者それぞれが1通ずつ保管します。公証役場で確定日付を付与してもらえば、さらに確実性が増します。
贈与契約書を作成する際の必須事項
贈与契約書には決まった様式が用意されておらず、基本的には自由に作成が可能です。しかし、第三者に対して贈与の存在を証明するためには、贈与の内容を明確にしなければなりません。一般的に、以下のような項目を記載することが多い傾向にあります。
・贈与者の氏名、住所
・受贈者の氏名、住所
・贈与の日付
・贈与財産の内容
・贈与の方法
・贈与契約を締結した日
記載すべき事項を正しく記載し、贈与者と受贈者がそれぞれ署名押印します。受贈者が未成年者である場合は、未成年者の記入欄の下に親権者も署名押印します。
受贈者が幼児である場合など、自分で署名押印できない場合は、法定代理人として親権者の署名が必要です。ただ、たとえ上手く書けなかったとしても自署が可能であるならば、本人が自署するに越したことはありません。本人の自署があったほうが信憑性が増します。
代筆は、法定代理人である親権者のみが行えます。親権者以外の人が代筆した場合は、贈与が取消される可能性があることを覚えておきましょう。
贈与の対象が不動産である場合は、全部事項証明書などで登記の情報を確認し、そのとおりに記載します。
未登記の建物である場合は、固定資産課税台帳記載事項証明書の情報を記載します。課税台帳の情報は、不動産の所在地を管轄する市区町村で確認できます。