(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産取得税は、土地や建物などの不動産を取得した際に発生する税金であり、通常、相続の際には発生しません。しかし、特定の条件下では課税対象となることもあります。では、どのような場合に不動産取得税が発生し、税負担を軽減するためにはどのような方法があるのでしょうか。本記事では、不動産取得税の基本概要、課税されるケース、軽減措置などについて詳しく解説します。税負担を理解し、適切な対策を講じることで、スムーズな不動産取得が可能になります。

不動産取得税とは?

不動産取得税は、土地や建物などの不動産の所有権を取得した際に一度だけ課される税金です。取得方法に関わらず、売買、贈与、交換、さらには新築や増築などによって不動産の権利を得た場合、この税金が課されます。重要な点として、登記の有無や取引の有償・無償は関係なく、不動産を取得した人が対象となります。

 

過去には、不動産取得後、各都道府県に対して申告する必要がありました。しかし、2023年4月以降、登記の手続きが行われることで自動的に不動産取得税の情報が反映されるようになり、原則として個別の申告手続きは不要となりました。この変更により、手続きが簡略化され、取得者にとって負担が軽減されています。

 

不動産取得税は、所有権の取得が確定した際に一度のみ発生し、その後の所有期間には課税されません。また、一定の条件下では軽減措置が適用される場合もあるため、取得時には条件を確認することが重要です。

相続時に不動産取得税がかからない理由

相続により不動産を取得した場合、不動産取得税が発生しない理由は、売買や贈与などの財産の移動とは異なり、相続が『法律上の義務による所有権の移転』と解釈されるためです。相続による不動産の取得は、所有権が自動的に移動する性質を持っており、これが課税の対象とされる不動産取引のような「対価を伴う財産の取得」とは異なると考えられています。

 

相続は、亡くなった方(被相続人)の財産を相続人が引き継ぐ自然なプロセスと認識されており、取引や贈与のように市場で財産のやり取りを目的とした行為ではないため、課税対象とはならないのです。これは、国が相続による財産の移転を特定の税負担から除外し、相続人が過度な負担を強いられないように配慮しているともいえます。

 

ただし、相続に関連したすべての不動産取得が免税されるわけではありません。たとえば、遺言による不動産の取得や、事実上の贈与とみなされるケースでは、不動産取得税が課されることがあります。これは、通常の相続と異なり、相続人が特定の意図を持って不動産を取得したと見なされるためです。このような場合、贈与や売買と同様に「所有権の新しい取得」として扱われ、課税対象になります。

 

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