DX化を成功に導く「5つのポイント」
1.「経営トップ層主導型」のプロジェクト推進
前述したように、自社のDX化は「全社的な組織変革」です。一事業を立ち上げ、成功させるよりも困難を伴いますし、数年以上の歳月を必要とするプロジェクトになることがほとんどです。だからこそ、DXプロジェクトの“長”が全社的な意識を統一し、鮮明なビジョンを描き、自身がロールモデルとしてプロジェクトを牽引することが肝要です。
先行きが不透明なプロジェクトは通常、特に序盤から中盤にかけてたくさんの反発を受けることになります。一部の従業員は途中で諦めることもあるでしょう。このような従業員の不満を少しでも減らすため、経営トップ層主導でプロジェクトを推進することが大切です。
とはいえ、社長は日々多忙な生活を送っていますから、DX化にフルコミットすることは簡単ではありません。そのような場合、「参謀」となる人財をDX推進室のリーダーに任命したうえで、週に1回や2回意見交換の時間を割いてプロジェクトの動向をモニタリングし、障壁が生まれているようならトップダウン形式で打破していくといいでしょう。
2.現場層との協調と明瞭なインセンティブ設計
自社のDX化に直接的な影響を受けるのは経営トップ層ではなく、現場層の方々です。本来、人間の本質は変化を拒むことが強いため、さまざまな理由をあげて変化が起きないように反応してしまうものです。したがって、大きな変化を起こした場合現場層の方々などから反発を受けることも少なくないでしょう。
言い換えれば、大半の場合は「できない」ではなく、「やりたくない」という気持ちが先行してしまい、“個人最適”な考えを選択します。しかしそれでは“全社最適”なDXは実現できないのです。
後述する3つ目の成功要因にも関連しますが、自社のDX化達成後のビジョンや現場層の方々にとってのメリットをわかりやすく描写し、拒みがちなマインドを変化させたり行動を喚起させたりすることが非常に大切です。
3.「全従業員を全力で動かす」ような目標設定
DX化において、目標値の高低は大きな問題とはなりません。しかしながら、大半の企業のDX推進室では「ビジネスチャットアプリの導入」や「SaaS型の電子契約書サービスの導入」といった、「1年以内に必達できる堅い目標」を立てる傾向にあります。
これらはたしかに業務効率化に貢献するかもしれませんが、これは「変革」ではなく、「改善」の類です。全従業員が全力で動かなければ達成できないような目標値を立て、それを実現してこそ、「全社的な組織変革」が成り立つのです。
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