DX化の成功例を「鵜呑み」にするのが危険なワケ
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」とは、最先端のデジタル技術を駆使した全社的な組織変革を意味しており、原則すべての従業員に関係するものです。DXが企業・組織内部に深く浸透することで、システムやスマホアプリ、デジタルツールがこれまで以上に円滑に活用されることになり、企業価値向上や業務効率化、新規事業の創出などに繋がります。
2018年、経済産業省からDXレポートが公表された後、大企業を中心に全社的な組織変革の機運が高まり、中小企業・中堅企業にもその必要性が広く認識されています。しかし、DX化プロジェクトを始動させたはいいものの、日本特有の悪習等が阻害し、実情としては大半の企業が自社のDX化に苦戦しているという状況がありました※。
※ 参照:『「日本特有の悪習」も関係…「自社のDX化」を阻む4つの要因』
DXは「全社的な組織変革」ですから、一朝一夕には終えることができません。ただ、少しずつではありますが、いまその風向きが変わってきています。
というのは、各業界のリーディングカンパニーが自社DXプロジェクトの「成功要因」を共有し始めたことで、それらが道標になりつつあるのです。なにもない状態からDX化を進めることは非常に大変ですが、足掛かりができたことで前向きに取り組み始めた企業も多いのではないでしょうか。
ただし、このような前例は非常に参考になる反面、注意も必要です。なぜなら、リーディングカンパニーの成功要因はあくまで「その企業の話」であり、他の企業にそのまま転用できるものではないからです。
成功要因というものはさまざまな変数が複雑に絡み合っています。たとえば、業界マップで見た企業のポジション、経営方針および経営戦略、企業文化や財務体質、組織構造など、ひとつとして同じ会社は存在しません。そのため、リーディングカンパニーの成功体験をそのまま鵜呑みにしてしまうことは非常に危険な行為といえます。
そこで今回は、DX推進事業を手掛ける弊社が、自社のDX化に成功している企業の要因を精査し、「共通項」としてまとめることにしました。幾多のプロジェクト事例から抽出した「成功メソッド」として、皆様の今後のDXプロジェクトに参考になれば幸いです。
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