ドラマ『半沢直樹』でも使われた「銀行は雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」というセリフ。銀行の非情さに対する経営者の恨みつらみが伝わってくるようですが、銀行側は違う見方をしているようです。メガバンクに32年勤務し、独立後は融資・補助金に強い専門家として資金調達支援を行う川居宗則氏が、銀行側の見解を解説するとともに、銀行から融資を引き出すためのポイントを紹介します。
返済のリスケをすると「新規の融資」は受けられない
資金繰りに窮して返済ができないときには、銀行と交渉して返済計画の見直し(リスケジュール)ができます。
経営立て直しのための時間的猶予をもらえる点はメリットですが、リスケすると新規の融資が受けられないことや、返済が長期化するなどのデメリットもあります。
銀行としては今ある借入金を先に返してくれないと、次の融資はできません。
B銀行から借りてきて元からあるA銀行の借入金の返済に充てる手もなくはないですが、B銀行も融資審査の際にA銀行との取引状況を調べるので、まず審査は通りません。
返済の長期化については、リスケで一時的に資金繰りは楽になったとしても長い目で見るとかえって返済負担が増します。長期的には経営にマイナスに働くことがあるので気をつけなければなりません。
川居 宗則
中小企業診断士
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
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中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
中小企業診断士(経済産業大臣登録)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(厚生労働大臣登録)、1級販売士(日本商工会議所)、CTP認定事業再生士
1987年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行し32年勤務。主に融資業務に携わり、審査部において事業再生業務にも従事した。独立後は融資・補助金に強い専門家として資金調達支援を実施。ライフワークとして東日本大震災後の宮城県の気仙沼市商店街を継続支援している。主な著書として『TOKYOキラリと光る商店街』『専門家のための事業承継入門』がある。
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連載元メガバンクの支店長が伝授…銀行から「融資」を引き出す方法