融資担当者が徹底チェックする「勘定科目内訳明細書」
融資担当者は決算書を受け取ると、社長が帰ったあとに自分のデスクに戻り、さっそく全部に目を通します。
決算書は50ページくらいあるのですが、経験値の高い担当者になると30分くらいでひと通りのチェックができます。
そこで気になる数字があれば「なぜこういう数字になっているか」を附属明細や過去の決算書などと比較して検討するのです。このときいちばんよく使う附属明細が「勘定科目内訳明細書」です。
「勘定科目内訳明細書」とは?
勘定科目内訳明細書は法人税申告をするときに提出義務がある添付書類の一つです。税務署が会社の財産や取引状況の把握をする目的で使われますが、融資の場でも精査します。
勘定科目というのは、日々の取引を複式簿記によって記録する際に使われる会計上の項目のことです。郵便代や電話代は「通信費」、パソコンや書類棚(10万円以上)は「器具備品」という具合に16種類の項目ごとに分類されています。
担当者が特に注目する「6つ」の項目
この勘定科目内訳明細書においてチェックしている部分は、主に次のようなポイントがあります。
1.売上・利益の推移
売上、売上総利益、営業利益、経常利益の値の推移を見て、増加傾向か減少傾向かなどをチェックします。急増や急減がある場合には、その要因について社長にヒアリングします。
ここで裏付けのある理由を語れないと「数字が読めない」「事業分析ができていない」として評価が下がります。
2.現預金の残高
現預金の残高が増加傾向か減少傾向か、売上規模に見合う水準かもチェックします。一般的な水準より少ない場合は資金繰りがひっ迫している可能性があると見ます。
また、預金が多い分にはあまり問題にならないのですが「現金」が過大な場合は注意してよく調べます。粉飾の可能性があるからです。
ちなみに預金口座はどこの金融機関にあるかなどを見て、他行との取引状況にも気を配ります。
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