銀行からの資金調達、決算書だけでは不十分!?…融資の成功率を高める「+α」の提出物【元メガバンク支店長が伝授】

銀行からの資金調達、決算書だけでは不十分!?…融資の成功率を高める「+α」の提出物【元メガバンク支店長が伝授】
(※写真はイメージです/PIXTA)

会社経営を軌道に乗せるために必要不可欠な融資。この融資を確実に手に入れるためには、「決算書」のほかにもう1つ準備しておきたい書類があると、中小企業診断士で1級FP技能士の川居宗則氏はいいます。それはいったいなんなのか、詳しくみていきましょう。

融資担当者が徹底チェックする「勘定科目内訳明細書」

融資担当者は決算書を受け取ると、社長が帰ったあとに自分のデスクに戻り、さっそく全部に目を通します。

 

決算書は50ページくらいあるのですが、経験値の高い担当者になると30分くらいでひと通りのチェックができます。

 

そこで気になる数字があれば「なぜこういう数字になっているか」を附属明細や過去の決算書などと比較して検討するのです。このときいちばんよく使う附属明細が「勘定科目内訳明細書」です。

 

「勘定科目内訳明細書」とは?

勘定科目内訳明細書は法人税申告をするときに提出義務がある添付書類の一つです。税務署が会社の財産や取引状況の把握をする目的で使われますが、融資の場でも精査します。

 

勘定科目というのは、日々の取引を複式簿記によって記録する際に使われる会計上の項目のことです。郵便代や電話代は「通信費」、パソコンや書類棚(10万円以上)は「器具備品」という具合に16種類の項目ごとに分類されています。

担当者が特に注目する「6つ」の項目

この勘定科目内訳明細書においてチェックしている部分は、主に次のようなポイントがあります。

 

1.売上・利益の推移

売上、売上総利益、営業利益、経常利益の値の推移を見て、増加傾向か減少傾向かなどをチェックします。急増や急減がある場合には、その要因について社長にヒアリングします。

 

ここで裏付けのある理由を語れないと「数字が読めない」「事業分析ができていない」として評価が下がります。

 

2.現預金の残高

現預金の残高が増加傾向か減少傾向か、売上規模に見合う水準かもチェックします。一般的な水準より少ない場合は資金繰りがひっ迫している可能性があると見ます。

 

また、預金が多い分にはあまり問題にならないのですが「現金」が過大な場合は注意してよく調べます。粉飾の可能性があるからです。

 

ちなみに預金口座はどこの金融機関にあるかなどを見て、他行との取引状況にも気を配ります。

 

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら

次ページ融資担当者が注目する項目、3つ目は…

※本連載は、川居宗則氏の著書『元メガバンク支店長だから知っている 銀行融資の引き出し方』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

川居 宗則

幻冬舎メディアコンサルティング

新型コロナウイルスの感染拡大を受け政府が次々に打ち出した給付金・助成金・3年間返済無しの特別貸付などの中小企業支援策で、中小企業経営者の多くは当面の手元資金を確保することができました。しかし今後は返済猶予期間が…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧