(※写真はイメージです/PIXTA)

SNS上で誹謗中傷された。しかも、書き込んだ相手が友人だった…。大抵のケースは、匿名で相手がわからず、問題が複雑化しがちなネットの誹謗中傷問題。もしも、投稿者を特定できている場合は、その後の対応はどうなるのでしょうか。実際ににココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、投稿者を特定できているネット上の誹謗中傷の対処について、小林聖詞弁護士に解説していただきました。

どのくらい損害賠償を請求できる?

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

次に、2つ目のご相談の、「どのくらい損害賠償を請求できる見込みがあるか」という点について、意外に思われる方が多いかと思いますが、請求をすること自体、決して簡単ではありません。

 

損害賠償請求をする場合、一般的に、投稿が名誉棄損にあたるか、あるいは、名誉感情を侵害するか、という2つの方法があります。

 

まず、名誉棄損にあたるか否かは、一般読者の普通の注意と読み方を基準として、対象者の社会的評価が低下しているかどうか、によって判断されます。では、ご相談内容の投稿は、ご相談者様の社会的評価を低下させるものでしょうか。

 

この点、「吐きそう」「消えてくれ」というのは、それだけでは、ご相談者様のパーソナリティや行動等に言及されたものではないため、ご相談者様の社会的評価を低下させる投稿とはいえない可能性が高いでしょう。

 

では、「ストーカー女」という点はどうでしょうか。

 

過去の裁判例を見ると、「ストーカー」という表現をどう捉えるかによって、結論が分かれています。

 

例えば、「パンティ泥棒」「泥棒・盗撮・ストーカー」などと併せて記載した場合について、下着の窃盗などの犯罪行為を行っているとの印象を抱かせるものであるから、社会的評価を低下させると判断した例があります。

 

これに対し、「詐欺師」「ストーカー」「異常な書き込み」などという記載に対して、具体的な事実の記載を全く伴わないものであるから、事実の摘示があったとは認め難いとして、社会的評価を低下させたとはいえないと判断した例もあります。

 

つまり、「ストーカー」と書かれたから、直ちに社会的評価が低下し、名誉棄損となるわけではなく、他の投稿内容と組み合わせて見たときに、「ストーカー」という表現がどのような意味を持つのかによって、結論が変わってくる、ということになります。

 

さらに、仮に、今回の件で、「ストーカー女」という表現が社会的評価を低下させるものだとしても、それがご相談者様の社会的評価を低下させているか、という問題があります。

 

今回、投稿にご相談者様のお名前が記載されていない以上、他の状況から、「ストーカー女」がご相談者様のことを指していることを推認していくしかありません。

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