(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数22,566.78 pt (+2.37%)
中国本土株指数7,706.72 pt (+2.96%)
レッドチップ指数4,112.44 pt (+0.95%)

売買代金1,195億5百万HK$(前日951億3百万HK$)

中国はコロナ拡大後、初の行動規制なしの旧正月

香港では春節(旧正月)の大型連休を終え、消費活動に回復の勢いが増していることが示唆された。中国本土でも春節期の旅行や映画の興行収入などのデータでは、力強い需要回復を示したほか、マカオでは春節の総インバウンド旅客数がパンデミック以降で最大となる見通しが示された。

 

中国・香港は、パンデミック以来初めて、検疫・行動規制がほぼ無くなった旧正月の連休を迎えた。長らく厳しい行動制限措置を堅持していた中国本土から、香港への往来も再開された。今後はより、規制の有りようではなく、景気刺激に向けた経済対策に市場参加者の注目がシフトし始めるだろう。

 

なお、本土の新型コロナウイルス感染に関しては、ピークを打ったとの見方も強くなってきた。疾病予防コントロールセンター(CDC)は25日、コロナ規制が緩和された昨年12月8日から、春節の翌日となる1月23日までの感染状況の推移などを初めて公表した。

 

感染状況は急ピッチなコロナ規制緩和の影響で感染者数が急拡大し、陽性者数は昨年12月22日にピークで694万人を記録した。新型コロナによる死者数は今月4日に最大で4,273人に達したほか、重症患者も5日に12.8万人の最高値を記録した。

 

ただ、それ以降は徐々に減少し、今週23日の死者数はピークから79%減少し896人となったほか、重症患者も72%減少し36,000人だった。陽性者も15,000人まで減少し陽性比率は5.5%まで落ちた。HP上での公表後、中国の疫病担当は約14億人の人口のうち80%が既に陽性となり、今後は徐々に減少方向に転じると述べた。

 

これまでになく急拡大していた感染が勢いを弱めた可能性があるとの観測が強まったことは日常の生活を徐々に取り戻すことを示唆する形となった。

 

中国本土では今週いっぱいまで春節の連休が続き、国内移動は依然として活発な状況が続く。今後、発表される経済指標でも最悪期から脱し徐々に回復基調に向かうとみられ、消費期待には一層期待がかかる。

香港ハンセン指数は続伸

26日の香港市場は大幅続伸し、中国景気の持ち直しが意識される流れとなった。来週に控える2月のFOMCを前にFRB高官のブラックアウト期間の最中、主力企業の業績不安などを背景に利上げペースが後退するのではとの観測も株式市場を支えた。

 

ハンセン指数は朝方、高く寄り付いた後、終日で上げ幅を広げ前日比2.37%高と昨年3月1日以来、約11ヵ月ぶりの高値を記録した。

 

ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は前日比4.26%高と大きくアウトパフォーム。自動車株が大幅躍進し、新興EVメーカーのNIO(9866)は12.9%高、理想汽車(2015)は12.2%高、電気自動車メーカーの小鵬汽車(9868)は10..5%高だった。

 

スマートフォン関連銘柄も物色され、スマートフォン大手の小米(1810)は12.5%高、部品メーカーの舜宇光学科技(2382)は8.5%高、半導体ファウンドリーの華虹半導体(1347)は6.7%高、電子部品の瑞声科技(2018)は3.5%高だった。

 

主要銘柄も堅調となり、自動車メーカーの比亜迪(1211)は6.0%高、保険大手の中国平安保険(2318)は4.2%高、インターネットサービスのテンセント(0700)は3.8%高、京東集団(9618)は2.8%高だった。

 

中国本土株市場は今週27日まで休場となります。

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

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