人民元が1ドル=6.7元と大幅に続伸。来週末から始まる旧正月の連休を前に香港ハンセン指数は大幅高。レジャー関連株が急騰

人民元が1ドル=6.7元と大幅に続伸。来週末から始まる旧正月の連休を前に香港ハンセン指数は大幅高。レジャー関連株が急騰
(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数 22,044.65 pt (+1.82%)
中国本土株指数 7,483.58 pt (+2.34%)
レッドチップ指数 4,073.60 pt (+2.04%)
 
売買代金951億3百万HK$(前日926億0百万HK$)

中国当局はローンプライムレート(LPR)を据え置き

週末から始まる春節(旧正月)を前に、中国人民銀行(中央銀行)は潤沢な資金供給を続けている。同銀は今週を通じて公開市場操作で1兆9,700億元の資金を供給し、短期資金の供給としては過去最大の規模となった。

 

一方、20日に発表された貸出金利の指標となるローンプライムレート(LPR)については5ヵ月連続で据え置いた。更なる金融緩和については慎重な見方を示す内容となった。

 

 

先月開催された中央経済工作会議での声明では消費を優先するという名目で積極的な緩和姿勢を示していたが、今回の見送りはやや矛盾している印象がある。

 

先週発表された中国の消費者物価指数(12月)についても低水準の結果となり、22年通年のCPI上昇率は2.0%と政府の目標を掲げる「3%前後」からは遠のいた結果に終わった。

 

中国が新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む行動抑制政策の転換が、今後、インフレ率を押し上げる要因となる可能性も視野に入れているフシはある。

 

為替市場では人民元が今月に入り大幅続伸し、1ドル=6.7元台の水準と2ヵ月で1994年以来のパフォーマンスを記録した。景気回復が実現する可能性を市場は過小評価しており、23年のGDP成長率は大きく上振れるとのコメントも出てきている。

 

今月、財新が発表したサービスPMIでも信頼感指数は17ヵ月ぶりの高水準まで回復するなど今後の景気回復に強気な見方は強い。引き続き消費拡大につながるか注目したい。

香港ハンセン指数は反発

20日の香港市場は終日、堅調な動きとなりハンセン指数は約半年ぶりに22,000ポイントを回復し前日比1.82%高となった。昨年は22,000ポイントまで上昇した後、2度打ち返されて下落と上昇トレンドが続かなったが、この水準を超えていくか注目となる。

 

ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は前日比2.67%の大幅高となった。フードデリバリーの美団(3690)、インターネット検索の百度(9888)、電子部品の瑞声科技(2018)がはそろって4.9%高と上げ幅が目立った。

 

経済再開の期待からリオープン銘柄が上昇し、カジノ関連では大手カジノの新濠国際発展(0200)は6.8%高、永利澳門(1128)は5.1%高、今週末の連休を前にレジャー関連も急騰。映画館運営の英皇文化産業(0491)は36.1%高、IMAXチャイナ(1970)は13.5%高、阿里巴巴影業集団(1060)は11.7%高だった。

 

主要銘柄も堅調となり、中国海洋石油(0883)は5.4%高、Eコマースのアリババ(9988)は3.7%高、石油販売のペトロチャイナ(0857)3.6%高、京東集団(9618)は3.0%高、保険大手の中国平安保険(2318)は2.8%高だった。

 

中国本土株市場は上海総合指数は前日比0.76%高の3,264.81と3日続伸、CSI300は同0.61%高の4,181.53と続伸した。

 

来週は春節連休のため香港市場は23〜25日が休場、中国本土市場は23〜27日休場が休場となります。本レポートも同様にお休みとなり、26日から配信いたします。

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

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