2023年4月以降も「コインランドリー節税」をやりたい場合は?
ただし、上述のとおり、網がかけられるのは「機械装置の管理の大部分を外部に委託している場合」です。
逆に「機械装置の管理の大部分」を自前で従業員を雇用するなどして行う場合は排除されないので、従来通り、「コインランドリー節税」のスキームは認められることになります。
「機械装置の管理の大部分」がどこまでかにもよりますが、店舗運営にAI等の最新鋭の技術を取り入れることや、マニュアルを強化することは可能であると考えられます。
現在は「デジタル化」「FX推進」の時代なので、ITやAIの力を駆使して顕著な労力をかけずに自前で店舗運営を行うことが可能なしくみを作り出せば、「コインランドリー節税」を利用できる可能性があるということです。実際、コインランドリー事業者は新ルール施行に向けて、その方向で動いているようです。
コインランドリー節税のリスクと対処法
最後に、コインランドリー節税を行ううえで知っておくべきリスクについて解説します。
コインランドリー節税で最も重要なのは、なんといっても立地です。「節税」ができたとしても、収益を得られず損をしてしまえば何の意味もありません。
たとえば、数年前にYouTubeで話題になった「【毎月40万円が消えていく】コインランドリー投資で見た赤字地獄」という動画では、コインランドリー投資に失敗して多額の負債を抱えてしまった事例が取り上げられています。
このケースにおける失敗要因は様々ですが、最も重大なのは、利用者数が想定より少なかったということだと見受けられます。すなわち、「立地が悪かった」ということに集約されます。
そこで、「立地」を慎重に吟味する必要があります。また、FC事業者を利用するのであれば業者の特性やシミュレーションの精度も重要です。
たとえば、住宅地や都心の人口密集地にある「都市型ランドリー」と、郊外の商業施設の敷地内にある「郊外型ランドリー」とでは、立地のよしあし、経営ノウハウが異なります。
「都市型ランドリー」は、周辺の世帯数に加え、世帯主の年齢層、家族構成、所得、近隣のスーパーの有無等も計算に入れる必要があります。また、地代やテナント料が高めなことを考慮しなければなりません。
たとえば、極端なことをいうと、都市部の人口密集地であっても、先述した「タワマン」が多いエリアでは、家に洗濯乾燥機がある世帯が多いのでその分の需要が少なくなることを見込まなければなりません。
これに対し、「郊外型ランドリー」の場合、その敷地内にランドリーを建てる商業施設の利用者の数、商圏の範囲、自動車で利用する場合の便宜、視認性等が重要になってきます。
いずれにしても、事前に数値的データと現地確認を踏まえた十分な調査を行い、合理的なシミュレーションが行われてなければなりません。
また、昨今深刻な燃料費の高騰も考慮に入れる必要があります。
このように、コインランドリー節税は大きな税負担抑制効果がある半面、投資金額も大きいので、これらを検討したうえで、コインランドリー節税を行うかどうかを判断することをおすすめします。
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