絶対にお店に行きたくなる口コミワード
■顧客(ペルソナ)の心を摑む口コミワードを近しい顧客からヒアリングせよ
ペルソナが決まったら、続いて「口コミワード」を明確にします。
口コミワードとは、どんな口コミが集まるとまだ来店したことがないペルソナが口コミを見て来店をするのか、というワード特定です。
例えば、先に挙げたファミリー層であれば「子連れに優しい」というワードの入った口コミを見たら、「この店いいかも」と思い、来店する可能性を高めることができるでしょう。
このようにペルソナがどんな口コミを見たら反応してくれるのかをディスカッションしながら明確にしてみましょう。
一番良いのは、お客様ですでにペルソナに最も近い人がいれば、直接聞いてみるということです。初見のお客様にはなかなか聞きづらいと思いますので、常連のお客様やスタッフの中でペルソナに近い人がいれば、ヒアリングをしてみるとよいでしょう。
効果的な質問は、以下の3つです。
①今まで行った店の中であり得ない対応を受けた、店内レイアウトで不満を感じた店は?
②ここはもう一度行きたい! と感動した店の接客と売場作りは?
③どんな口コミが書いてあれば思わず足を運びたくなるか?
①は前項のペルソナ専用のストレスのラインナップに加えていただければ価値は高いでしょう。例えば、ベビーカーがすれ違えずにストレスだった、や「すみません」と店員さんを呼んだだけなのに嫌な顔をされた、などです。
②も同様に前項の役に立つので取り入れてみてください。
私が最近感動したのは、大皿を頼んだら取り分け用のトングが来て、小皿に取り分けるのかなと思ったら、まず大皿で持ってきてくれて「こちら取り分けておきますね、お写真、撮られますか?」と声をかけてくれたことですね。もちろん写真も撮るし、取り分けるストレスがなく素晴らしいなぁと感動しました。
そして、この項で役立つのは③の「どんな口コミが書いてあれば思わず足を運びたくなるか?」です。
この質問は、ペルソナの心に響く口コミワードを発見することができるのでおすすめです。ワード数は多ければ多いほど良いです。ファミリーのように単身ではない場合は、夫目線の口コミワードと妻目線の口コミワードをそれぞれ分けておくようにしましょう。購買意思決定が夫の場合と妻の場合とで店作りの微調整が必要になるからです。
これは来店するペルソナの接客データをもとに選択してもらえればよいと思います。
クライアントの中で、ファミリー層で実際に集まった口コミワードは以下の通りです。
【夫】子連れに優しい/店員さんが子供に優しい/お菓子がもらえる
【妻】店内が清潔/ベビーカーがすれ違える/キッズスペースが除菌されている/絵本がある
なかにはここで取り上げるほどでもないのですが、「マッサージチェアがあると嬉しい」と完全に個人の嗜好を満たすためのワードも出てくるので、選別はあくまでも口コミを見たペルソナが来店を決めるワードですので、不要なワードは削除していきましょう。
ワード選定を5〜10ワードほどに集約し、理想の口コミ集を作成しましょう。
①子連れに優しい
②子供にお菓子がもらえる
③清潔感がある
④キッズスペースの除菌
⑤ベビーカーがすれ違える
⑥子供が退屈しない
先に挙げたように集まった口コミワードを盛り込んだ口コミ投稿イメージを作成してみてください。
「初めて入ったお店でしたが、店員さんが子供に優しく、とても清潔感のあるお店でした。子供が大喜びだったお菓子がもらえるプレゼントがあり、キッズスペースで食べる際も2時間置きに除菌をしているそうで安心して子供を遊ばせられました。店内もベビーカーがすれ違えるほど通路が広く快適に買い物ができました。また必ず来たいと思います」
このような感じです。
イメージはつきましたか?
少し無理やり当てはめたような文章になっていると思いますが、これでOKです。店内で働くスタッフ全員がこの口コミを目指して売場を作ったり、接客力を身につけたりする基準になるからです。
さっそく作り込んでいきましょう。
成田 直人
ジャパンブルーコンサルティング株式会社代表取締役